自己資金100万円で、年間30万円が残るなら利回り30%。魅力的に見えますが、物件へ投じたお金が100万円だけとは限りません。借入を含む総投資額と、返済後の現金をそろえて確かめましょう。

CCRは、年間のキャッシュフローを投下した自己資金で割る指標です。自己資金配当率などとも呼ばれます。計算する範囲が分かれば便利ですが、値が高いだけで安全性や売却益まで判断できるものではありません。

分母にどの自己資金を入れたか確認する

頭金だけでなく、自己資金で支払った取得諸費用や当初工事なども確認します。記事では、取得から貸出準備までに実際に投下した自己資金を分母にします。使わず手元に残す現金は別欄で管理します。

分子は、家賃収入から運営支出と元利返済を引いた税引前の年間現金収支とします。大型設備投資、売買、個人の所得税等は次の単純例に含めません。税引後や設備投資後の数字を使う資料と比べるときは、その範囲を合わせてください。

同じ物件を二つの資金調達で比べる

総投資400万円、年間家賃72万円、運営支出18万円を仮定します。借入案では自己資金100万円と借入300万円を使い、返済予定表上の年間元利返済を24万円と置きます。相場や融資条件の提案ではなく、仕組みの説明例です。

項目現金購入借入利用
投下自己資金400万円100万円
借入なし300万円
年間現金収支72−18=54万円72−18−24=30万円
自己資金利回り54÷400=13.5%30÷100=30%

借入案は率が高くても、一年間に残る金額は現金購入より小さくなっています。借入金は収益を得るために使う資金であり、受け取った時点で家賃収入へ加算するものではありません。

収入が減っても返済は残る

同じ年に家賃が60万円となり、運営支出が36万円へ増えたと仮定すると、現金購入の収支は24万円、借入案は0円です。分母を当初自己資金のままにした比率は6%と0%になります。好調時の30%だけでは、この違いは見えません。

さらに支払いが増えて持出しが必要なら、追加した自己資金も記録します。追加投入後の率を求めるときは、初回100万円だけを分母に置き続けないようにします。いつの自己資金と、どの年の現金収支を比べているかを書きましょう。

率と現金残高を並べて判断する

元本を返済すると現金は減りますが、同時に残債も減ります。CCRは返済後の現金を見た指標なので、資産価値の変化や残債の減少を含めた総合収益とは区別します。売却時の返済や費用も別の計算が必要です。

借入割合を増やして自己資金を小さくすれば、率は大きく動きます。分母がゼロなら通常の比率として計算できません。高い数値を作ることより、通常時と不調時の支払額、残す現金、返済条件を確認することが先です。

まず紹介資料の自己資金利回りを、自分の総投資表と返済予定表から計算し直してください。年間いくら残り、どの支出まで含めたのかを説明できれば、率だけに引っ張られず比較できます。