一軒目の空き家を直して貸し出したら、初年度の家賃収入が予定より少なかった。工事と募集の期間があれば、一年分の家賃が入らないことがあります。そこで年換算する際は、数字の意味を明記することが大切です。
その年に入った家賃と、十二か月分へ置き換えた見込みは別の数字です。どちらか一つへまとめず、両方を並べて理由を確認しましょう。
対象期間と分母を先に書く
いつ買い、いつ工事が終わり、いつ家賃が発生したかを記録します。年初から持っていた物件と、年の途中で取得した物件を、その年の家賃額だけで比較しないようにします。
率の分母も、物件価格か、諸費用・初期改修を含む総投資額かをそろえます。この記事では説明用に、総投資額に対する家賃収入の割合として計算し、運営費、借入返済、税金等は引いていません。
四か月の実績と通年換算を並べる
説明用に総投資額四百万円、月六万円、九月から十二月まで四か月分の家賃を実際に受け取ったと仮定します。途中の値引きや未収、その他収入はないものとします。
| 見る数字 | 家賃の計算 | 総投資額に対する割合 |
|---|---|---|
| 初年度の実績 | 六万円×四か月=二十四万円 | 六% |
| 同じ月額が十二か月続く換算 | 六万円×十二か月=七十二万円 | 十八% |
十八%は、その年に受け取った割合ではありません。翌年も同じ家賃で空室や未収がない場合の家賃水準を置いた換算です。資金繰りの表へ、実際には受け取っていない四十八万円を足さないでください。
工事中の費用を消さない
家賃がない期間でも、保険や管理、借入返済等の支払いが発生する場合があります。家賃だけ年換算して、工事中の支払いをなかったことにすると、必要な資金を小さく見積もってしまいます。
取得・工事に一度だけ必要だった支出と、毎年続く運営費を分けます。将来の通常運営の見通しを作る表でも、初年度に出した現金は投資全体の記録へ残します。
年払い費用と一時費用を機械的に三倍しない
四か月だけの記録でも、年額の保険料や税金をまとめて払っている場合があります。その支出を単純に三倍して年換算すると、同じ年額を重ねることになります。対象期間と費用の性質を一行ずつ確認します。
家賃免除や退去後の一時的な募集費も、その月の数字を十二倍すれば通常年を表せるとは限りません。元の記録を保存したうえで、通年見込みに何を使ったかを書き添えます。
比較用の見込みには空室と修繕も入れる
満室十二か月の換算は、家賃の水準をつかむ入口です。実際の計画では空室、運営費、修繕等を反映した収支も作り、返済後の現金と分けて確認します。収入だけの十八%を最終的な利益率として説明しません。
まず実績表と通年見込み表の見出しを分け、家賃開始日、対象月数、分母の総投資額を記入してください。予定との差が家賃水準によるものか、開始の遅れや費用によるものかを整理しやすくなります。
