空き家投資の初年度は、年間収支だけで判断せず、月ごとの残高を確認します。購入代金、工事代、諸費用は家賃より先に出ていくことがあるからです。最もお金が少なくなる月が分かれば、契約前に資金の準備を見直せます。
費用の金額と支払日をセットにする
工事費が総額100万円でも、一括払いなのか、着手時と完了時に分かれるのかで資金繰りは変わります。取得時の支出、保険、税金、募集費用も、それぞれの支払予定を確認します。まだ決まっていないものは、早めに支払う場合も試します。
借入を予定しているなら、承認と実行を混同しないようにします。必要な日に入金されるか、使途や支払済み費用の扱いはどうかを金融機関へ確認します。未確定の借入を、すでに自由に使える現金として表に入れないことが大切です。
月末残高は三つの数字で作る
基本の式は「前月末残高+当月の入金−当月の支払い」です。初月は、今回の投資に使う資金と残しておく資金を区別したうえで、開始残高を置きます。購入価格を費用計算へどう処理するかとは別に、実際の現金の動きを記録します。
次は仕組みを示す簡略な仮定例です。開始資金500万円、借入なし。取得関連350万円、工事計100万円、各月のその他支出2万円、3か月目から家賃入金5万円とします。その他支出は仮の一定額で、税や保険等の実際の支払予定を再現してはいません。
| 月 | 入金 | 支払い | 月末残高 |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 0万円 | 取得350+工事40+その他2=392万円 | 108万円 |
| 2か月目 | 0万円 | 工事60+その他2=62万円 | 46万円 |
| 3か月目 | 家賃5万円 | その他2万円 | 49万円 |
この範囲では最も低い月末残高は46万円です。ただし月末の数字だけでなく、月内で家賃の入金より支払いが先になる場合も確認します。
実際の表は十二か月分作る
例では省略した税、保険、仲介・募集費用、返済、臨時支出などを、自分の予定で加えます。月平均で割った予算は年間の見通しに便利ですが、支払う月には全額が必要です。通知が後から来る支出も、確認先と予定時期を記入しておきます。
敷金等の預り金は、家賃とは別の欄に置きます。口座に入ったから余剰資金になったとは考えず、返還等に備える必要があるものとして残高の内訳を管理しましょう。
入金が遅れるケースを追加する
上の仮例で、3か月目の家賃5万円が入らなければ、その月末残高は44万円です。工事追加や募集費用も重なれば、さらに減ります。工事完了、契約開始、管理会社からの送金の違いを確認し、予定どおりでない場合の表も一つ作ります。
残高が必要な予備資金を下回るなら、工事内容や支払条件、取得条件を再検討します。支払延期を当然に見込むのではなく、相手の合意が必要な条件として扱います。
毎月、予算を実績へ置き換える
初年度の表は一度作って終わりではありません。支払いが確定したら金額と日付を更新し、残る月の見込みを再計算します。変更理由を短く残せば、次の物件の予算にも役立ちます。
まず工事見積書の総額の隣に、支払予定月を書き込んでください。その後で購入代金と家賃の入金月を並べます。最初の一歩は、利益の大小より、支払いをつなげられるかを見ることです。
