毎月の返済額が家賃より小さければ、長く持ち続けられるでしょうか。実際には税や管理費に加え、給湯器や屋根などの修繕も必要です。返済が終わるまで建物の傷みが待ってくれるわけではありません。
融資を相談するときは、返済予定表と、建物・設備の修繕予定を同じ年表へ重ねることをおすすめします。返済期間を短くする利点と、途中の現金負担を両方見ましょう。
修繕予定は築年数だけで決めない
屋根、外壁、水回り等について、状態、前回工事、設備の設置年、不明な箇所を整理します。一般的な交換年数に達したら一律交換、達していなければ故障しない、という理解は避けてください。
国土交通省の計画修繕ガイドブックは、状態と必要費用を把握して準備する参考になります。ただし、共同住宅の周期や工事内容を、そのまま戸建てへ当てはめるものではありません。現物を確認できる業者へ相談します。
一年ごとの現金を同じ表に入れる
| 欄 | 記入すること |
|---|---|
| 期首現金 | 使途の決まった資金や預り金を分けた残高 |
| 運営の収支 | 実際に見込む家賃から運営支出を引いた額 |
| 返済 | 元本と利息の合計、年末残高 |
| 修繕 | 工事費、支払時期、確定度 |
| 期末現金 | 翌年の支出に対応する残高 |
通常の維持費を運営支出へ入れた場合、修繕欄で同じ費用を再度引かないようにします。税金を含めたか、所得税等を別にしているかも見出しへ明記します。
返済額が違う二案の仮例を考える
説明用に、運営支出を引いた家賃の現金収支が年四十八万円、年間返済がA案三十六万円、B案二十六万円と仮定します。金融機関の見積り等でこの支払額を確認した場面を想定し、特定の借入条件から算定した金額ではありません。
追加修繕や所得税等を除く年間残金は、A案十二万円、B案二十二万円です。これが五年間続き、全額を残せたという単純仮定なら六十万円と百十万円。五年後に八十万円の工事があると、A案は二十万円足りず、B案は三十万円残ります。
長い返済期間が常に有利とは限らない
上の例は工事資金との重なりを見るためのものです。実際の比較では、借入額、金利、期間、方式、諸費用、同じ時点の残債もそろえます。B案の年間額が小さい理由が、期間を長くしたことなら、返済が長く残る点も確認します。
利息総額や売却時の返済額を省いて、年ごとの残金だけで選ばないようにします。また、返済を短くしても別に修繕資金を確保できるなら、判断は変わります。
工事が早まる場合も試す
五年後の予定が二年後になったらどうか、工事費が増えたらどうかも試算します。予定どおりの修繕積立が続く前提だけでは、急な故障に対応できません。空室や家賃下落が同時に起きる条件も別に置きます。
資金不足が見つかったら、必要な修繕を消して表を黒字にするのではなく、購入価格、自己資金、融資条件、購入時期を見直します。追加借入を確実な前提にせず、利用の可否と時期を確認してください。
購入時と毎年の点検で更新する
工事歴や入居状況が変わったら、年表の予定と金額を更新します。古い見積りは調査時点を付け、支払時期が近づいたら確認し直します。返済予定表も、金利変更や繰上返済があれば差し替えます。
まず返済中の十年程度を年ごとに並べ、費用が大きくなりそうな設備や工事を記入してください。月々の返済が払えるかに加え、途中の必要支出を乗り越えられるかを相談できます。
