五年後には何戸持っていたい。目標があると動きやすくなりますが、戸数だけを追うと、工事中の物件と修繕が必要な物件が重なり、現金も対応時間も足りなくなることがあります。

五年計画は、どれだけ買うかに加え、いつ家賃が入り、どれだけ現金を残し、誰が運営するかを決めるために使いましょう。毎年必ず買う予定にする必要はありません。

目標と予測を区別する

「年間百万円の現金収支を目指す」は目標です。「家賃をいくらで、何か月受け取り、費用がいくらかかる」はその目標を検証する予測です。希望する手残りだけを先に置き、後から家賃や工事費を都合よく調整しないようにします。

税引前か税引後か、借入返済を引いた後か、修繕用の積立に相当する現金を残す前かも定義します。同じ「百万円」でも意味が違うため、年ごとの比較は同じ基準で行ってください。

五年間を「確認する段階」で組む

段階主な確認次へ進む条件の例
最初の一軒需要、建物、工事、収入開始支出と入居までの実績が分かる
運営を安定させる入金、設備、管理会社との連絡必要な現金と業務量を把握できる
買い増しを検討追加費用と既存物件の修繕悪い条件でも資金が足りる
全体を見直す地域や設備年齢の偏り、出口保有・改善・売却を比較できる

これらは年ごとに必ず一段ずつ進める予定ではありません。一戸目の調査に時間が必要なら、その時点で次の購入時期を見直します。計画に物件を合わせるため、買う条件を緩めないことが大切です。

購入年の家賃を十二か月分にしない

引渡し後に工事と募集がある場合、その年の収入は満室一年分とは異なります。説明用の仮定として、月六万円で十月から十二月まで三か月受け取るなら、家賃は十八万円です。年七十二万円をその年の入金にすると、五十四万円多く見積もることになります。

これは家賃だけの例で、税・保険・募集費・修繕・借入返済等は別に記入します。家賃開始が二か月遅れる場合の入金と支払いも並べ、どの月の現金が少なくなるかを確認してください。

買わない年の使い道も決める

条件に合う物件がなければ、修繕記録を整える、管理先を増やす、借入や資金繰りを相談するなど、運営の準備へ回せます。現金を残すことにも、設備故障や次の購入機会に対応できる意味があります。

ただし、口座残高の全額が自由に使えるわけではありません。敷金、支払予定、税金、既存物件の必要修繕等を差し引き、今使える現金を見ます。家族や事業の予定により使える時間が変わる場合も、年別の計画へ反映します。

見直す項目と時期を固定する

年に一度の全体確認に加え、工事費の増加、長期空室、大きな修繕等があったときに計画を更新します。古い見込みを消さず、変更した理由と日付を残すと、何がずれたかを調べられます。

まず五年分の表に、購入支出、家賃収入、運営支出、返済、修繕と年末現金の欄を作ってください。空欄をすべて楽観的な数字で埋めるより、確認が必要な箇所を明らかにする方が、次の一歩を選ぶ助けになります。