戸建て賃貸の修繕予算は、屋根、外壁、給湯器などの状態と、今後必要になりそうな工事を並べて考えます。家賃の何%という目安だけで決めず、「何に、いつ、いくら必要か」を仮置きするところから始めましょう。
入居が決まると、毎月の家賃が楽しみになります。ただ、その全額を使えるお金と考えると、設備が壊れた月に慌てます。故障の時期を正確に当てる必要はありません。起きたときに動ける資金を、先に分けておくことが大切です。
積立の前に、設備と修繕履歴を集める
まず一枚の表をつくり、設備名、設置や修繕の時期、現在の状態、確認先を書きます。年数が分からないものは、分からないまま記録してください。推測の設置年を事実として扱わないことです。
- 給湯器、エアコンなど:型番、設置時期、過去の故障。
- 屋根、外壁、雨樋など:補修履歴、点検結果、気になる箇所。
- 給排水など:漏水や詰まりの履歴、業者の確認内容。
古いから一律交換、新しいから予算ゼロという決め方は避けます。業者の点検や見積もりで、緊急性と費用の幅を確かめましょう。
「近いうちの工事」と「突然の故障」を分ける
予定できる工事と、時期が読めない故障を同じ袋にすると、予算が見えにくくなります。先に必要と分かっている工事費は確保し、そのうえで毎月積み立てる額を考えます。
| お金の役割 | 考え方 |
|---|---|
| 予定工事の資金 | 見積額と実施予定から必要額を準備 |
| 突発修繕の資金 | 急な故障に対応できる現金を確保 |
| 空室期間の資金 | 家賃がなくても続く支出に備える |
同じ現金を、屋根工事にも空室対策にも使えるとして二重に数えないようにしてください。
毎月の積立額を出す簡単な例
以下は考え方を示す仮の数字です。工事相場や必要額の推奨ではありません。今後36か月で準備したい修繕資金が72万円、すでに専用に確保した額が18万円なら、残り54万円。36か月で割ると月1万5,000円です。
ただし、来月壊れる可能性まで、この積立で解決したことにはなりません。最初に持つ予備資金は別に考えます。また、数年先の工事費は見積もりや価格の変化で増減します。年に一度は更新しましょう。
修繕資金を自分の別口座へ移しただけで、税務上の経費になるわけではありません。ここでの積立は資金管理の話です。実際の支出をどう処理するかは、工事内容などに応じて確認します。
家賃から差し引いても運営できるかを見る
積立額が決まったら、家賃から管理費、保険、税金などの支出、借入があれば返済を見込み、さらに修繕用に残す額を差し引きます。残高に余裕があるかを確かめてください。
積立を入れるとほとんど残らない場合、積立をゼロにして数字を良く見せても問題は消えません。購入前なら取得条件や工事範囲を見直す。保有中なら収支改善と必要資金の準備を考える。判断の材料として使いましょう。
修繕した後も、表を更新する
工事費を払ったら終わりではありません。実施日、内容、支払額、施工会社、保証の有無を記録します。予定額との差も残すと、次の予算が現実に近づきます。
毎年の見直しでは「まだ使えるから安心」と済ませず、点検結果や故障の頻度を確認します。逆に、予定した時期が来たから無条件に交換するのでもありません。状態と入居者への影響を見て決めます。
今日できるのは、設備を三つ書き出すことです。給湯器、屋根、外壁など、支出が大きくなりそうなものから確認しましょう。修繕に備えるお金は、入居者の暮らしと、自分の経営を続けるための準備です。
