家賃がたまり、借入を早く減らしたくなった。利息を抑えられるなら繰上返済した方がよい、と考える場面です。ただ、返済した後に給湯器交換や退去が重なると、現金が足りなくなることもあります。
まず繰上返済で減る負担と、その日に手元から出るお金を分けて見ましょう。借入残高が減ることと、修繕の支払いに対応できることは別の確認です。
残高だけで実行額を決めない
口座残高から、敷金等の預り金、支払予定、税・保険、必要な修繕と空室への備えを整理します。まだ請求されていない発注済み工事も含めてください。家計や別の事業に必要なお金を、当然に使える資金へ入れないようにします。
余った現金をすべて返す計画では、想定外の支出へ対応する余地がありません。建物や設備の状態、入居状況を見て、どの支出に備えるかを先に決めます。
金融機関へ確認する項目をそろえる
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 実行条件 | 一部返済の可否、最低額、申込期限 |
| 必要資金 | 返済元本、手数料、経過利息等 |
| 返済後 | 毎月返済額、最終返済日、利息総額 |
| 制限 | 固定期間中の扱い等の特約 |
| 比較資料 | 実行しない場合と実行する場合の予定表 |
日本政策金融公庫の契約案内にも、事前相談や、条件により期限前弁済手数料が必要になることが示されています。ほかの金融機関で無料だった経験を、今回の契約へ当てはめないようにします。
期間短縮と月々の軽減を区別する
一部繰上返済では、期間を短くする方法や、毎月の返済額を減らす方法が選べる場合があります。ただし、賃貸融資で必ず両方を利用できるわけではありません。利用中の金融機関へ確認します。
利息の軽減を優先するのか、毎月の余裕を増やしたいのかを伝え、返済後の予定表を受け取ります。期間だけ短くなり毎月額が変わらないなら、直後の修繕資金が増えるわけではありません。
返済後に必要な現金が残るか計算する
説明用に、自由に配分できる現金が百五十万円、一部返済百万円、手数料等一万円と仮定します。実行直後は四十九万円です。修繕や空室用に七十万円を残す計画なら、二十一万円不足します。
この例は、特定の金融機関の手数料や必要予備費の基準ではありません。実際の見積りと自分の支払予定へ置き換えてください。将来減る利息を、実行日の現金残高に足す計算はしません。
再び借りられる前提にしない
急な工事が必要なら後から借りればよい、とは限りません。新たな融資には審査や時間が必要で、条件も変わる場合があります。必要資金の確保と、返済による負担軽減を同時に考えます。
一括で大きく返す案だけでなく、実行額を抑える、時期をずらす、今回は見送る案も比較します。手数料が実行回数等に影響されるなら、その条件も含めて試算してください。
実行後は資金表も更新する
新しい返済予定表、支払記録、残高を保存し、毎月の資金表へ反映します。口座引落額がいつから変わるかも確認し、古い予定と混在させないようにします。
まず金融機関へ、希望額と実行予定日を伝えて二案の予定表を依頼してください。次に返済後の現金を計算すれば、負担を減らしながら運営を続けられる条件を相談できます。
