二戸目を買う資金が足りても、買った後の現金が十分とは限りません。一戸目と二戸目で同時に空室や修繕が起きる仮定を置き、購入後の残高から引いてみましょう。家賃が順調に入る計画だけでは見えない余裕を確認できます。
購入後残高から始める
手付金、決済資金、取得諸費用、初期工事、募集準備までを入れたうえで、残る現金を出します。まだ払っていない工事代を引き忘れると、実際より余力を大きく見てしまいます。借入は実行条件と時期を確認した額だけを使います。
敷金等の返還に備える資金と家計の生活費は分けます。一戸目の修繕用に確保していたお金を、二戸目の購入にも予備資金にも二重に使う計算にしないことが重要です。
二戸を一枚に並べる
| 項目 | A物件 | B物件 |
|---|---|---|
| 空室でも続く月支出 | 元利返済と固定費 | 元利返済と固定費 |
| 見込む空室期間 | 調査に基づく月数 | 調査に基づく月数 |
| 臨時支出 | 修繕・再募集等 | 修繕・再募集等 |
| 確保済み資金 | 全体残高との関係を記録 | 重複を避けて記録 |
月の固定費へ年払いの税や保険を配分した場合、実際の支払月も別に確認します。平均額だけでは一時的な不足を見落とす場合があります。
現金が減る仮定を計算する
購入関連支出と預り金等を分けた後の利用可能な現金を100万円と仮定します。両物件が四か月空室で家賃入金ゼロ、空室中の元利返済・固定費の合計は月5万円、追加修繕はA25万円、B15万円、再募集費は二戸合計10万円とします。
必要支出は5万円×4か月+25万円+15万円+10万円=70万円です。仮定期間の後に残る現金は100万円−70万円=30万円になります。所得税等、想定外の追加工事、家計の支出は含めていません。
家賃減少と支出を二重に引かない
上の計算は、開始時の現金から、家賃が入らない間の実際の支出を引いています。ここへさらに「予定家賃を失った額」を引くと、現金残高の計算として重複する場合があります。
予定どおりの運営との差額を知る表では、家賃減少を使います。実際の残高を知る表では、実際の入金と支払いを使います。何を求める計算かを決め、同じ表の中で混ぜないようにします。
三十万円残るから十分、と決めない
残高30万円で、その後の支払いを何か月続けられるか、年払いの予定や追加修繕がないかを確認します。空室期間や修繕額の根拠が弱ければ、さらに厳しい場合も計算します。必要な予備資金は戸数だけで一律には決まりません。
不足が見えた場合は、価格、工事範囲、借入条件、購入時期を再検討します。生活に必要な修繕を外したり、未確定の借入で穴埋めしたりして、表だけ黒字にしないことが大切です。
次の買付前に更新する
一戸目の実績が変われば、二戸目購入後の余裕も変わります。新たな故障や退去予定が出たら、買付時の表へ反映します。以前確認したから大丈夫、と古い残高を使わないようにします。
まず購入後に残る現金を確定し、二戸の固定支出と臨時修繕を並べてください。買える金額の上限だけでなく、買った後に続けられる条件が具体的になります。
