中古戸建てを総額で購入したけれど、土地と建物の金額が分からない。そんなときは、減価償却を計算する前に、契約書と価格の根拠資料をそろえましょう。建物を高くすれば有利だから、という理由で自由に配分してよいものではありません。
安い空き家ほど、売買資料に細かな内訳がないこともあります。だからといって、申告直前に思い付きで半分ずつにするのは避けたいところです。何が確認済みで、何が未確定かを整理して相談します。
まず売買契約書に区分があるか見る
土地代、建物代、消費税額の記載を確認します。契約書の別紙、精算書、売主側の資料に内訳がある場合もあります。表示された金額を使う際も、契約内容との整合や不合理な点がないか確認が必要です。
| 資料 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 売買契約書・別紙 | 土地・建物の区分、消費税の記載 |
| 固定資産税評価の資料 | 対象年度、土地と建物の評価額 |
| 鑑定・査定等の資料 | 評価時点、目的、算定の前提 |
| 工事明細・取得費用 | 購入後の支出と売買価格の区別 |
固定資産税評価額は売買価格そのものではありません。土地の評価額を合計購入額から単純に引けばよい、と決めつけず、どの資料をどう使うかを確認します。
区分がないときは合理的な根拠を相談する
国税庁は、土地建物を一括譲渡し代金が区分されていない場合の消費税の説明で、時価や固定資産税評価額等による合理的な区分方法を示しています。ただし、この案内を読めば、どの取引にも好きな割合を選べるという意味ではありません。
取得側の処理でも、売買資料と物件の実態を示し、適切な区分方法を税理士へ相談します。減価償却費が大きくなる割合だけを採用するのではなく、後から説明できる根拠を残しましょう。
仮の計算と採用する金額を混ぜない
たとえば総額600万円について、確認済みの合理的な根拠から土地と建物の比率を仮に2対1とするなら、土地400万円、建物200万円です。これは配分計算だけの例であり、その比率を推奨するものではありません。実際には契約上の金額や税の扱い、取得費用などを確認します。
購入後の工事100万円を、この建物代200万円に無条件でまとめることも避けます。工事の内容によって処理が変わるため、見積書と請求書を別に保管し、取得費や資本的支出、修繕費等の判断材料にします。
決めた方法を説明文ごと保存する
金額が確定したら、使用した資料、計算式、確認した相手、確認日を残します。翌年の申告や売却時に、なぜその取得額になったのかをたどれるようにするためです。途中の試算と採用した数字はファイル名でも区別しましょう。
まず契約書を開き、土地・建物の内訳があるか確認してください。見つからなければ、評価資料と精算書を集め、「区分不明」と書いたまま相談へ進めます。根拠がない数字で埋めるより、確認すべき点が明確になります。
