戸建て一戸は空くと、その物件の家賃収入が止まります。小規模アパートは一室空いても他室からの収入がある場合があります。ただし、戸数だけで安全性は決まりません。家賃総額、固定支出、同時空室を同じ条件で計算しましょう。

空室率と失う金額を両方見る

一戸のうち一戸が空く場合は戸数で100%、四戸のうち一戸なら25%です。しかし、家賃が異なれば失う金額も違います。戸数の割合だけで、返済や修繕に耐えられるかは分かりません。

複数の戸建てを持つ場合も、一戸だけの比較とは変わります。物件単体と経営全体の数字を分け、何を比べているかを明確にしましょう。

簡単な仮定で一室空室を比較する

戸建て一戸を月6万円、四戸のアパートを各月3万円と仮定します。その他の収入はなく、空室中の家賃はゼロ、日割りは考慮しません。これは物件価格や実際の相場を示す例ではありません。

状態戸建て一戸四戸アパート
満室月額6万円12万円
一戸空室の月額0円9万円
一戸が三か月空く家賃減18万円9万円

アパートの残る9万円は利益ではありません。管理、保険、税、共用部分の費用、返済等を引く必要があります。購入価格や初期工事費も違うため、この表だけで投資先を選ばないようにします。

満室家賃が同じ場合も考える

月6万円の戸建てを二戸なら、満室月額は12万円で上のアパートと同じです。一戸空くと月6万円減り、一室3万円のアパートとは影響が違います。一方、戸建て二戸が離れた場所にあれば、地域や建物の影響が分かれる場合もあります。

この違いも、良い悪いを自動的に決めるものではありません。移動や管理の費用、修繕の種類、需要を含めて比較します。

複数室が同時に空くケースを入れる

同じ会社の従業員や同じ学校の学生が多い場合、退去が重なることがあります。四戸アパートで二戸が三か月空けば、仮例の家賃減は3万円×2戸×3か月=18万円です。一室だけの空室を繰り返す前提にしないことが大切です。

募集時期、間取り、近隣の競合も確認します。多戸数だから常に一部の家賃が残る、という保証ではありません。

共通部分と個別設備の支出を見る

アパートには建物全体や共用設備に関わる修繕があり、複数室の収入へ同時に影響する場合があります。戸建ても一棟ごとの屋根等の工事が必要です。どちらも建物の状態を確認し、戸数だけで修繕費を決めないようにします。

比較表には、家賃減少に加えて、空室でも続く支出、退去ごとの費用、まとめて必要になる工事を入れます。購入額が大きい案なら、必要な自己資金や返済条件も別途確認します。

自分の候補物件へ数字を置き換える

まず満室家賃、一戸空室、複数戸空室の三段階を作ります。次に固定支出と返済を引き、現金がいくら減るかを見ます。修繕用資金も一緒に確認してください。

戸建てとアパートを名称だけで選ぶより、失う収入の大きさと残る支払いを比べる方が具体的です。同じ条件の表にすると、自分が管理できる規模と必要な余裕が見えてきます。