空いた戸建てを売るか、もう一度貸してから売るか。家賃が入れば有利に見えますが、貸すための工事や募集費、売るまでの時間も必要です。買ってくれそうな人と、売却までの追加支出を分けて比べましょう。入居が付くこと自体を、売値が上がる保証にはしません。
まず、買主が何に使うかを考える
空室なら、自分で住みたい人が室内を確認し、改修や入居の計画を立てやすくなります。投資家も検討できますが、賃料や募集期間を自分で見積もる必要があります。
入居中なら、現在の契約や収入を材料に検討する投資家が主な候補になり得ます。一方、すぐ自分で住みたい人とは条件が合いにくくなります。どちらの需要があるか、所在地の仲介会社へ具体的に聞いてください。
| 確認項目 | 空室で売る案 | 貸してから売る案 |
|---|---|---|
| 主な準備 | 状態説明、内見、売却条件 | 賃貸用の整備、募集、契約資料 |
| 収入 | 売れるまで家賃なし | 入居後の家賃と運営支出 |
| 見学 | 予定を組みやすい | 入居者への配慮と調整が必要 |
| 期間 | 販売期間を見込む | 募集期間と販売期間を見込む |
追加でかける費用を並べる
賃貸に向けた補修、清掃、募集、契約、管理開始に必要な費用を確認します。空室売却でも片付けや調査等が必要なら、両案で共通する費用と、貸すためだけに増える費用を分けます。
説明用の仮定として、貸すための追加支出が60万円、入居後の家賃が月6万円、毎月の運営支出が1万円なら、単純差額は月5万円です。追加支出に相当する額は12か月分ですが、これは税金・返済・突発修繕等を除いた計算です。投資の回収期間や売却利益を保証する数字ではありません。
売却時点を同じにして比べる
すぐ売る案と、一年貸して売る案では、見ている期間が違います。まず比較する日を置き、そこまでの家賃、保有費用、追加工事、売却費用を並べます。売却代金には、確定額ではなく仮定であることを明示します。
入居が決まるまでの期間もゼロにしないようにします。募集が延びた場合や、想定家賃を下げる場合を別に計算すれば、「貸してから売る」という計画に必要な余裕が分かります。急いで資金を戻す必要があるかも重要です。
入居中の契約を、売却の都合で扱わない
すでに入居者がいる物件を、売却のためだけに自由に空室へできると考えないでください。契約と法令を踏まえた確認が必要です。この記事の二案は、主に現在空室の物件について、これから募集するかを比べるものです。
新たに貸してから売る場合も、入居者にとっては暮らしの場です。内見や資料提供、所有者変更時の案内を管理会社と整理します。家賃、敷金等の預かり金、修繕履歴、契約条件をそろえ、買主へ確認可能な情報を渡せる状態にします。
仲介会社へ、二つの販売案を聞く
「入居が付けば高く売れますか」だけでなく、空室のままの想定買主と販売期間、入居後の想定買主と必要資料をそれぞれ聞きます。見立ての価格差が、追加支出や時間に見合うかを確認しましょう。
まず、貸すために新たに必要なお金と、資金を戻したい時期を一枚にしてください。家賃を得る案にも、空室で売る案にも条件があります。自分の資金計画に合う順番を選ぶことが大切です。
