融資相談の事業計画書では、良さそうな数字を並べるより、金額の根拠を示します。物件をいくらで取得し、どこを直し、誰にどう貸し、何から返済するのか。説明と資料がつながっていれば、未確認の条件も相談しやすくなります。

先に相談先の対象と必要書類を確認する

金融機関や融資商品によって、対象となる事業、資金使途、必要資料は異なります。一般的な創業計画書を作れば、賃貸用不動産の購入資金を必ず借りられるということではありません。物件所在地や事業内容を伝え、相談可能かを先に確認します。

日本政策金融公庫の創業計画資料は、必要資金と調達方法、事業の見通しを整理する参考になります。ただし、ここでは資料構成の参考として使い、特定の商品への適用や承認を前提にしません。相談先に指定様式があれば、それに合わせます。

計画を五つの箱に分ける

項目書くこと添える資料
物件所在地、状態、貸出までの課題図面、調査結果
需要想定入居者、家賃、募集期間比較物件と仲介会社の回答
資金取得、工事、諸費用、運転資金見積り、支払予定
返済家賃から何を引いて返すか収支表、厳しいケース
運営管理、修繕、募集の担当依頼予定先と対応範囲

未経験の作業は、できると書くより、誰へ相談し、どこまで依頼するかを書きます。過去の実績がない場合に、見込みを実績のように示す必要はありません。

家賃の根拠を一行で終わらせない

「近隣相場は月6万円」とだけ書くと、どの物件と比べたのか分かりません。面積、駐車場、状態、立地が近い物件を選び、募集家賃なのか、確認できた成約情報なのかを分けます。問い合わせ先と日付も残します。

募集開始から入金までの期間も見込みます。工事が終わる日と、借り手が決まる日と、家賃が振り込まれる日は別です。空室が続いた場合の支払いも計画に入れ、満室家賃だけで返済原資を説明しないようにします。

必要資金と調達資金を一致させる

仮に取得・工事等が450万円、運転用に残す資金が50万円なら、必要資金は500万円です。自己資金200万円、借入希望300万円なら合計は一致します。ただし、借入対象にできる費用や融資の実行時期は個別確認が必要です。

すでに支払った手付金を二重に計上したり、支払前の費用を残高から引き忘れたりしないようにします。自己資金として使う予定のお金も、生活費や別物件の修繕用と重なっていないか確認してください。

不利な条件も、対応策と一緒に示す

工事費の未確定部分や、家賃を下げた場合の余力を隠すと、後から計画の説明が難しくなります。「見積りを取得中」「この条件なら購入を見送る」と、確認手順と判断基準を書きましょう。借入額や返済期間を変える場合は、毎月の支払いだけでなく全体の資金計画も更新します。

まず一枚に、物件概要、家賃の根拠、必要資金、返済後の現金、未確認事項を書いてみてください。相談前に数字をきれいに見せるのではなく、説明できない箇所を見つけるために使うと、事業計画書が判断の道具になります。