金利上昇への備えは、予想を当てることより、金利が変わった場合の返済額を試算することから始めます。借入残高、残り期間、返済方法をそろえ、現状、1ポイント上昇、2ポイント上昇などで手残りを比べましょう。
金利が上がると聞くと、不安になるものです。ただ、借入額や残り期間によって影響は違います。ニュースの数字だけで判断せず、自分の返済予定表へ置き換えて確認してみましょう。
まず、金利が変わる契約かを確かめる
全期間固定、固定期間のあるもの、変動金利などで、変更の条件が異なります。金利の見直し日、返済額へ反映する時期、基準となる金利や優遇条件を契約で確認します。
一般的な住宅ローンの説明で見たルールが、自分の投資用融資にもあるとは限りません。返済額の見直しを抑える仕組みがあるかどうかも、金融機関へ直接確認してください。
残高だけ分かっていても、残り期間や返済方法が違えば計算結果は変わります。まず必要な情報をそろえることが先です。
同じ残高と期間で比較する
以下は、借入残高300万円、残り10年・120回、毎月の元利均等返済、ボーナス返済なしの仮例です。それぞれの金利が残り期間を通して一定で、直ちにその条件で返済額を再計算するものとします。手数料等は含めません。
| 年利 | 毎月返済 | 年間返済 |
|---|---|---|
| 2% | 約2万7,604円 | 約33万1,248円 |
| 3% | 約2万8,968円 | 約34万7,619円 |
| 4% | 約3万374円 | 約36万4,482円 |
月額と年額は、それぞれ丸める前の計算値から表示しています。表示した月額の12倍と年額に、端数の差が出る場合があります。
2%から4%への変化は、毎月約2,770円、年間約3万3,234円の増加です。表は各条件での計算比較であり、実際の変動金利の改定経路を再現したものではありません。金融機関の返済予定表を優先してください。
返済だけでなく、残る額へ置き換える
年間家賃72万円、運営支出24万円、返済前の現金収支48万円と仮定します。年間返済を引くと、2%で約14万8,752円、3%で約13万2,381円、4%で約11万5,518円です。
これは所得税等や、追加の修繕、予備資金への積立を考慮する前の数字です。返済が数千円増えるだけと見るか、残るお金の中でどの程度を占めるかを見るかで、受け止め方が変わります。
高い利回りが見込める物件でも、返済期間や支出によって資金の余裕は変わります。家賃と金利の差だけで安心しないようにしましょう。
空室も重ねて確認する
同じ例で、月6万円の家賃が二か月入らず、運営支出24万円は減らないと仮定します。返済前の現金収支は36万円です。金利4%の年間返済約36万4,482円を引くと、約4,482円の持ち出しになります。
現実には支出が変わる項目もありますが、この例では条件を単純化しています。重要なのは、金利だけを変えて終わらず、空室や工事が重なる場合を見ることです。
持ち出しになること自体を見つけたら、使える予備資金と、どの期間まで対応できるかを確認します。
対応策は、費用と条件まで比べる
- 予備資金を厚くする:他の使途と重複していないか。
- 繰上返済を検討する:手元資金が減っても修繕に対応できるか。
- 借換えを相談する:手数料等を含めても意味があるか。
- 運営を見直す:必要な修繕を削らず改善できる支出は何か。
金利が低い商品へ変えれば必ず有利というものではありません。残り期間や費用、審査条件も確認します。返済条件の変更も、希望すれば必ず認められる前提にしないでください。
次に確認する数字は、四つだけ
借入残高、残り回数、現在の金利、返済方法。この四つを返済予定表から拾い、金融機関へ上昇時の試算を依頼してみましょう。
未来の金利を言い当てなくても、自分の収支がどこまで変化に対応できるかは調べられます。余裕があるうちに数字を確認し、使える選択肢を残しておくことが大切です。
