売主から「以前の台風で少し直しました」と聞いたら、どこまで確かめればよいのでしょうか。被害の大きさを言葉の印象で決めず、被害があった時点の資料と、修理した内容を並べましょう。過去を調べる目的は、現在の建物を判断する材料を増やすことです。

被災した家は全て使えない、修理済みなら全て安心、と二つに分ける必要はありません。何が起き、何を直し、何が未確認なのかを整理します。

災害ごとに一行の履歴を作る

売主や管理担当へ、覚えている災害の時期、原因、被害箇所、修理の有無を尋ねます。記憶だけなら、その旨を残します。水害、強風、地震などを混ぜず、同じ箇所に複数回の被害がなかったかも確認しましょう。

確認する資料分かること
当時の写真被害箇所と撮影時の状態
罹災・被災に関する証明証明された対象や判定
見積書・契約書依頼した工事の範囲
完了報告・請求書実施内容と支払いの記録
その後の点検再発や追加修理の有無

他人の保険や個人情報を必要以上に集めず、物件の確認に必要な範囲の資料を依頼します。提出できない資料があるなら、代わりに確認できる事実を整理します。

証明書を現在の安全証明にしない

自治体の証明書は、種類や対象、申請できる人、確認方法が異なります。千葉市の案内も、住家の罹災証明と、非住家等の被災証明を分けています。名称だけで同じ内容と扱わず、その書類が何を証明しているかを確認します。

当時の被害判定が分かっても、現在の耐震性や、隠れた部分の状態まで分かるわけではありません。証明書が見つからないことも、被害がなかった証拠にはなりません。売主に代わって取得できると決めつけず、必要な手続は自治体へ確認します。

修理の前後を場所ごとにつなげる

例えば一階床が浸水したという説明なら、当時の写真に写る部屋と、床下・壁・設備の工事範囲を照合します。床材を張り替えた事実と、下地や設備をどう確認したかは別です。請求書の「復旧一式」だけでは分からない部分を、施工記録や業者の説明で補います。

屋根の修理も、被害部の交換だけか、周辺の防水や下地まで対象だったかで確認点が変わります。修理後の写真がきれいでも、原因と対応範囲が分からなければ、現地調査の質問へ残してください。

不足資料を購入前の調査へつなげる

資料の不足を全て売主の隠し事と決めつける必要はありません。ただし、未確認を問題なしへ置き換えないことです。建築士や設備業者へ履歴を渡し、今回調べられる範囲と限界、必要な調査費を確認します。

今後の被害に備え、自分が取得した後も、修理前の状態を安全な範囲で記録する運用を考えておきます。公的案内でも、片付けや修理前の全景と近景の保存が示されています。まず一つの災害を選び、「被害の記録」「直した記録」「現在の確認」の三列で整理しましょう。