古い間取り図に床の色だけ塗り替えて、募集へ使っていませんか。部屋名、収納、ドアの位置が実際と違うと、内見で期待とのずれが生まれます。工事後の現地と図面を一度照合し、借り手が暮らしを検討できる資料に整えましょう。

空き家には、増改築前の図面や、前の所有者が手描きした図面しかないこともあります。使える資料を生かしながら、未確認の数字を確かな情報として広めないことが大切です。

部屋数を数える前に区分を確認する

同じ広さに見えても、広告上の居室として扱えるかは別です。首都圏不動産公正取引協議会は、建築基準法上の居室に当たらない部屋を納戸等と表示し、間取りの居室数へ含めないよう案内しています。

「昔は寝室に使っていた」「窓が一つある」といった事情だけで、洋室と表示しないようにします。確認資料と現況を仲介会社へ渡し、区分を確認してください。納戸を隠すために部屋名を空欄にする方法も、正確な説明にはなりません。

図面へ赤字で直す箇所をまとめる

確認箇所照合する内容
部屋と収納居室・納戸の区分、収納の範囲
建具ドアや引戸の位置、開く向き
設備台所、洗濯機置場、トイレの位置
動線階段、廊下、庭への出入口
広さ数字の根拠資料と未確認の箇所

各階を同じ順に歩き、写真番号を図面に書き込みます。収納を撤去した、引戸を壁にしたなど、工事で変わった箇所は完成図へ反映します。写真だけを送り、仲介担当者に変更点を推測してもらう形は避けましょう。

広告の広さと家具が置ける寸法を分ける

部屋の畳数や面積には、表示の基準や算定方法があります。大家が家具を置ける範囲だけ測った数字と、広告へ記載する面積を混同しません。既存図面の「六畳」の根拠が不明なら、仲介会社へ確認します。

借り手が知りたいのは、ベッドや机が入るかという具体的な寸法でもあります。家具配置用の参考として、壁から壁の有効寸法、柱の出、扉の開閉範囲を別に記録すると役立ちます。実測値には測定箇所と日付を添え、広告面積の正式な確認に代えるものではないと区別します。

例えば幅が約270cmでも、収納扉の開閉に必要な空間があるなら、壁一面へ家具を並べられるとは限りません。大きな家具の置場を想定した図では、その家具の寸法と出入口の余白も示しましょう。この寸法は説明用の例です。

「現況優先」の一言で違いを放置しない

図面に現況優先と書いてあっても、把握している誤りをそのままにしてよいわけではありません。借り手は内見前に図面で候補を絞るため、誤表示は双方の時間を使ってしまいます。

修正後は、掲載した画像と物件情報の間取り欄を両方確認します。画像だけ直り、検索条件の部屋数が古いまま残ることもあります。複数の掲載先がある場合は、同じ最新版を渡してください。建物面積の欄も、図面と違っていないか確認します。

次の募集でも使える原本を残す

図面には物件名、作成日、確認者を付け、工事前の旧図面とは別に保存します。未確認の箇所は管理メモに残し、誰がいつ確認するかを決めます。確認前の図面がそのまま公開されないよう、作業中の版には下書きと表示しましょう。

まず今の募集図面を一枚印刷し、現地と違う場所へ印を付けてみてください。部屋数を魅力的に見せることより、借り手が迷わず使い方を考えられる情報へ整えることが、納得した内見につながります。