融資の実行時に、保証料や事務手数料がまとめて差し引かれた。その合計を、全てその年の経費へ入れてよいとは限りません。何の対価を、どの期間について支払ったのかを明細で確認しましょう。

借入の準備では金利と返済額に目が向きがちです。しかし、会計処理を相談するときには、同じ融資費用でも保証、手続、登記などの中身が重要です。通帳に出た差引額だけでは、判断材料が足りません。

借入額と実際の振込額の差を分解する

金融機関から、融資実行の精算明細、契約書、返済予定表を受け取ります。別の業者や司法書士へ払った費用がある場合は、その請求書も分けて保存します。

項目確認資料
保証料保証期間、計算方法、返戻の条件
事務手数料具体的な役務、支払先、契約条項
登記等の費用税・報酬・実費の明細
借入元本融資実行額と残高、口座入金額

例えば借入額500万円、差引費用20万円で振込が480万円なら、借入元本が480万円になったとは限りません。契約上の元本と、費用を差し引いた手取額を別に確認します。この数字は説明用の仮定です。

保証期間に対応する費用か確認する

保証料には、一定期間の保証サービスへの対価という性質があります。国税不服審判所の公表事例にも、未経過の保証期間に対応する額を前払費用とする判断があります。支払時に全額費用とするのではなく、期間配分の検討が必要になることを押さえましょう。

ただし、どの費用も名前だけで同じ処理になるわけではありません。保証料の算定方法や契約内容、個人か法人かを伝えて確認します。単純に借入年数で割れば必ず正しい、という扱いにも注意が必要です。

手数料はサービスの内容を示す

事務手数料という名称でも、契約時の手続への対価なのか、継続するサービスに対応するのかを確認します。保証料と一括表示されているなら内訳を依頼します。物件取得や事業開始の時期に関係する支出も、別途検討が必要です。

税理士への相談文は「融資時に20万円払いました」ではなく、「保証料○万円、保証期間○年、事務手数料○万円、契約上の役務はこの記載です」と資料を添えます。未確認の部分は空欄のまま質問事項にしてください。

借換え・繰上返済時の返戻も記録する

途中で返済した場合に保証料が戻るか、控除される費用があるかは契約によって異なります。返戻があったら入金だけで処理を終えず、未経過分の帳簿残高との関係を確認します。旧融資と新融資の費用を混ぜないように、融資ごとの番号を付けると便利です。

資金計画では、一括支払した金額がその日に現金を減らすことも忘れません。税務上の費用を数年に配分する場合でも、現金の支払時期が分割されるわけではありません。

まず実行明細と保証契約を一組にしてください。費用の名称、内容、対象期間、返戻条件の四項目がそろえば、会計処理を具体的に相談できます。