管理料を節約できるから自主管理。忙しいから全て委託。どちらを選ぶ場合も、実際に誰が何をするかを並べてから判断しましょう。比較するのは料金だけでなく、移動や連絡に使う時間、対応できる時間帯です。

自主管理には現場を知りやすい良さがあります。一方、管理を委託しても、修繕の予算承認など大家に残る仕事があります。「委託すれば時間がゼロになる」という見積りでは、後で負担感が生まれます。

普段の仕事と突発の仕事を分ける

まず、直近の一か月に行った作業を記録します。家賃の確認、入居者との連絡、業者の手配、現地への移動などです。時間を覚えていなければ、これから二週間だけ記録してみましょう。

作業自主管理で数える時間委託後に残る確認
入金確認照合・問い合わせ・記録報告確認と未入金の判断
修繕対応受付・手配・訪問・精算見積承認と完成確認
現地確認往復・点検・写真整理報告の不足確認
募集対応条件調整・仲介への連絡募集条件の決定

毎月ある業務と、退去や故障があった月だけ増える業務を混ぜないことです。平常月だけで年間の負担を判断すると、突発対応の影響を見落とします。

自分の時間を比較用の金額に置き換える

仮に、自主管理が月4時間、委託後が月1時間、管理料が月3,300円、比較用の時間単価を2,000円とします。自主管理の時間相当額は8,000円、委託は3,300円+2,000円=5,300円です。差は月2,700円となります。

これは判断のための仮定であり、自分の時間相当額を実際の支払いや税務上の経費にする計算ではありません。交通費、募集時の別料金、修繕立会いなどは別途加えます。自分が作業を楽しめるか、本業に影響するかも数字と一緒に考えましょう。

委託範囲の外にある仕事を確認する

同じ管理料でも、訪問回数や夜間受付、修繕手配の範囲が違います。見積書と契約案を見て「受付だけか、現地対応までか」「一定額以下の修繕を誰が承認するか」を確認します。別料金になる業務も一覧にします。

特に遠方物件では、管理会社が行かない作業を誰が担当するかが重要です。鍵の受渡しや庭の確認など、小さな作業が大家の往復時間を増やすこともあります。委託後の担当者が空欄になっている仕事を残さないようにしましょう。

料金以外の条件も含めて決める

平日昼間に連絡を受けられない、現地まで片道二時間かかる、といった制約を書き出します。緊急時の連絡がつながる体制を確保できるかは、平均作業時間だけでは判断できません。

今日から始めるなら、作業名、所要時間、移動費、対応した時間帯の四項目を記録してください。その実績を管理会社の委託範囲に重ねると、自分が引き受ける仕事と任せたい仕事を具体的に話せます。