新しい空き家が安く出てきた。一方で、持っている戸建てにも直したい場所がある。資金に限りがあると、どちらへ回すべきか迷います。
ここでは、安全や生活に必要な修繕の資金を確保したうえで、追加投資を比べる順番にします。新しい物件の見かけの利回りに目を奪われる前に、同じ予算へ何を含めるかをそろえましょう。
先に確保する資金を決める
借入返済、税・保険、入居中の設備故障、空室への備え等を一覧にします。入居者から預かっている敷金や、支払先が決まっている現金を、そのまま投資予算にしないようにしてください。家計と事業の資金も整理します。
漏水や危険な設備等への対応は、家賃増加が見込めないから後回し、という判断には向きません。まず状態と必要な対応を専門家へ確認し、その予算を除いて追加投資に使える額を決めます。
二つの案の総費用をそろえる
| 項目 | 新規購入案 | 保有物件の改善案 |
|---|---|---|
| 最初の支出 | 取得、諸費用、改修、募集準備 | 調査、工事、付帯工事等 |
| 収入開始まで | 引渡し・工事・募集の期間 | 工事期間と入居条件への影響 |
| 運営の増加 | 管理、税・保険、設備修繕 | 保守、清掃、更新等の追加分 |
| 未確定事項 | 建物状態、家賃、入居開始日 | 施工範囲、効果、将来の交換 |
安い購入価格と、改修見積額を直接比べても条件はそろいません。新規購入は取得後の準備費用まで、改修は周辺補修や管理費の変化まで含めて比べます。
家賃の総額と増加分を混同しない
改修案の効果を比べるなら、今の収入からどの程度増えるかを見ます。既存家賃の全額を、その設備投資だけで生まれる収入として計算しないでください。家賃上昇の見込みは地域の仲介会社に確認し、変更時期や契約上の条件も整理します。
説明用の仮定で、任意の設備改善に二十四万円かけ、家賃収入が年四万八千円増え、関連する維持費が年八千円増えるなら、差額は年四万円です。単純計算では二十四万円÷四万円=六年になります。税・金利・追加修繕等は含まず、効果が六年続く保証もありません。
新規購入の増加収入にも経費と空室を反映する
購入案では、家賃年額をそのまま追加の手残りにしないようにします。入居までの空白、運営費、修繕、借入返済等を月別に並べます。現金購入なら返済がなくても、設備修繕や税・保険の支出は残ります。
基本案だけでなく、家賃が低い、工事が延びる、予定外修繕が生じる場合も試算します。改修案側にも同じように、見込んだ効果が出ない場合を設けると、比較の片方だけが楽観的になることを防げます。
管理できる量も判断に入れる
新しく一戸増えると、連絡、書類、更新や修繕の判断も増えます。遠方なら移動や現地確認も必要です。改善案は既存の業者へ頼みやすくても、工事中の入居者調整などの手間があります。費用だけでなく担当者と対応時間を記入します。
まず、使える現金と、二つの案で増える収入・支出を一枚にまとめてください。比較材料が足りない側は調査を進め、条件が合わなければ今回は見送る選択も残しておくと、次の機会を選びやすくなります。
