火災保険の免責金額を選ぶときは、保険料の差だけでなく、事故時に自分で出せる現金を確認します。自己負担を増やして保険料が下がっても、修理の支払いに困れば運営は苦しくなります。契約条件と資金繰りを同じ表で見ましょう。
免責事項と免責金額は違う
日本損害保険協会は、免責を保険会社が支払責任を負わない場合、免責金額を契約で設定する自己負担額と説明しています。保険の対象外となる損害と、対象になる損害のうち自分が負担する額を混同しないようにします。
「免責5万円」と聞いても、どの事故に適用されるか、事故ごとか、支払方法はどうかを確認します。補償の種類で自己負担の条件が異なる商品もあるため、見積書の一箇所だけで判断しないことが大切です。
比較表には事故別の欄を作る
| 確認項目 | 聞きたい内容 |
|---|---|
| 対象となる事故 | 何が補償され、何が除外されるか |
| 免責金額 | 事故や補償別の自己負担 |
| 支払限度 | 保険金額や上限、算定方法 |
| 費用保険金等 | 修理以外に対象となる費用と条件 |
| 手続 | 必要資料、連絡先、支払いまでの流れ |
免責金額だけ違う二案を比べるつもりでも、補償範囲が変わっている場合があります。同じ対象、期間、条件で見積りを取り、違う部分を明示してもらいましょう。
仮の事故額で自己負担を確認する
単純な差引方式で、認定された損害額から免責金額を引き、限度額等の影響がないと仮定します。認定損害20万円なら、免責3万円の案では支払額17万円、免責10万円の案では10万円です。自己負担の差は7万円になります。
これは説明のための仮定で、実際の保険金を示すものではありません。修理見積額がそのまま認定損害額になるとは限らず、対象外部分や契約条件によって結果は変わります。小さな損害の扱いも契約先へ確認します。
保険料の差と、使える予備資金を並べる
仮に免責を増やすと年5,000円安くなる見積りなら、年額差を記録し、事故時の自己負担差と並べます。ただし事故の発生回数や金額は確定できないため、単純に何年で得だと結論づけないようにします。
修繕用資金が十分にあり、小規模支出を自分で負担できるか。別物件でも同時に事故が起きたらどうか。保険料の節約だけでなく、現金の余裕と合う条件かを考えます。
保険金の入金前にも支払いはある
保険で対象になる見込みでも、修理業者の支払期限と保険金の入金日が同じとは限りません。応急対応や着手金が必要なら、その資金を確保します。保険会社の確認前に支払いを約束する際は、入金を確実な前提にしないようにします。
写真や見積り等の記録は必要ですが、人の安全や被害拡大防止を遅らせないことも大切です。事故が起きたら契約先へ連絡し、応急対応、記録、修理の進め方を確認します。
免責分だけ残せば十分とは限らない
経年劣化や通常の維持管理など、保険ではなく大家が備える支出もあります。保険加入と修繕用の現金を、どちらか一方で代用するものと考えないようにします。契約更新時は、保険条件と設備の状態を一緒に見直します。
まず保険証券や見積書から、補償別の免責金額を抜き出してください。それを修繕用に残す現金と並べると、事故時にどこまで自分で支払えるかを具体的に相談できます。
