物件価格に加えて手付金も必要と聞くと、購入費用がその分増えるように感じることがあります。反対に、手付金を払ったから決済時は残りだけ用意すればよいと思い、諸費用を忘れることもあります。
整理の基本は、契約上の金銭の性質と、いついくら動くかを分けることです。売買代金へ充当する金額を確認し、支払済みと支払予定を一枚にまとめましょう。
手付金と内金の意味を確認する
手付金は、単なる代金前払いの内金と同じ意味ではありません。全日本不動産協会の解説でも両者は区別され、手付金を残代金支払時に売買代金へ充当する定めが一般的とされています。今回もそうなのか、契約書の条項を確認してください。
手付解除等の条件も別に読みます。「払った金額はいつでも返してもらえる」「手付金を諦めればいつでも解除できる」と一律に考えず、期限や相手方の履行等との関係を取引担当者に説明してもらいます。
購入総額と支払時期を二つの表に分ける
| 項目 | 整理する場所 |
|---|---|
| 売買代金 | 購入総額の本体 |
| 代金に充当される手付金 | 代金のうち先に支払う金額 |
| 代金に充当される中間金 | 代金の支払予定 |
| 決済時の残代金 | 充当済み金額を差し引いた残り |
| 仲介・登記等の費用 | 売買代金とは別の支出 |
費用総額の表では、代金に充当する手付金をもう一度足さないようにします。一方、資金繰りの表では、契約時に現金が必要になるので、支払月に記載します。同じお金でも表の目的で置き方が違います。
仮定の数字で残代金を計算する
説明用に、売買代金五百万円、契約時の手付金五十万円、中間金なしとします。手付金を全額代金へ充当する合意なら、残代金は四百五十万円です。五百万円と五十万円を足した五百五十万円が代金になるわけではありません。
ただし、この四百五十万円には仲介手数料、登記関連費用、売買の精算金等を含めていません。決済日に必要な資金は、残代金にその日に支払う別項目を加えて求めます。各金額は実際の請求や契約で置き換えてください。
支払先と充当を証拠で照合する
支払表には、日付、金額、名目、相手先、領収書や振込記録、残代金への充当額を入れます。申込金等の別名目の金銭がある場合は、返還・充当の条件を確認し、手付金と勝手にまとめないようにします。
決済明細が届いたら、既に払った金額が正しく反映されているかを見ます。振込先の名義や変更連絡に不明点があれば、既知の連絡先を使って取引担当者へ確認してください。メールの振込先だけで判断しないことが大切です。
融資の実行日より前に必要なお金を把握する
融資を使う場合も、契約時の手付金をいつ用意するかは別の確認です。融資の対象、実行日、自己資金の必要額を金融機関と仲介会社へ確認します。後日の借入予定を、そのまま今日使える残高と考えないようにします。
まず契約書の代金・手付金・充当の欄を見て、支払表へ転記してください。決済前に担当者と照合すれば、二重計上と当日の資金不足の両方を確認できます。
