登記の床面積より、現地の家が広く感じる。図面にない部屋や囲われた縁側がある。そんなときは、面積の違いをそのままにせず、理由を確認しましょう。

未登記の増築が疑われても、すぐに違法建築と断定することはできません。一方で、登記を直せば建築上の問題も解決するとは限りません。登記、建築の適法性、現況の三つを分けることが大切です。

違っている資料を並べる

登記事項証明書、建物図面、売買用の間取り図、確認関係の図書、固定資産税関係の資料、現地写真を集めます。資料ごとに作成年や目的が違うため、面積の差だけで原因を確定しません。

資料・情報確認すること
登記構造、階数、床面積、変更履歴
建築関係図書確認を受けた計画と増改築の資料
現地資料にない部分の位置と使われ方
売主の説明工事時期、業者、保存書類
課税資料把握されている建物の情報

税金を払っていることを、登記や建築上の手続きがすべて済んでいる証明として扱わないようにします。それぞれ何を示す資料なのかを担当者へ確認してください。

建物の登記は土地家屋調査士へ相談する

不動産登記法では、建物の表題部に関する変更登記等が定められています。今回の増築や現況との差にどの手続きが必要か、土地家屋調査士へ資料を見てもらいましょう。

調査・測量、必要書類、費用、期間を確認し、売主と買主のどちらがどの時点で対応するかを整理します。「買った後で簡単に直せる」との説明だけで予定を立てず、専門家の具体的な見通しを聞いてください。

建築上の確認は別に依頼する

増築部分がいつ、どのような工事で作られたかを建築士へ伝えます。必要だった手続きや現在の計画への影響は、工事内容や時期、地域の条件で変わります。確認済証等が見つからないだけで即断せず、行政の建築担当窓口等で記録を調べる方法も相談します。

また、現状をそのまま残す案と、撤去・改修する案では必要な検討が違います。購入後の賃貸計画や改修範囲を先に伝え、使える状態にするための調査と工事の見通しを確認しましょう。

面積の大きさを収入の根拠にしない

広いから高い家賃で貸せる、と計算する前に、その部分をどう扱えるかを確かめます。仮に一部の撤去が必要なら、使える面積、間取り、工事費が変わる可能性があります。未確定部分を満額評価した収支だけで購入判断しない方が現実的です。

融資を使う場合は、登記と現況の相違を金融機関へ伝えます。必要な対応や融資判断は個別に確認し、売主の経験談だけで借りられると決めないようにします。

費用負担と完了条件を明確にする

調査や手続きの結果を待って購入を判断するのか、一定の対応後に引渡しを受けるのか。仲介会社と専門家を交え、契約条件として整理します。口頭の「対応します」だけでは、対象や期限が分からないことがあります。

  • どの部分に相違があるかを写真と図面で示す
  • 登記と建築の相談先を分ける
  • 必要費用と期間、担当者を確認する
  • 未確定のまま残る事項を購入判断へ反映する

まず資料の差を一つずつ見える形にしてください。不安を大きくするより、何を誰に調べてもらうかを決めることが、検討を進める近道です。