エアコンや電子レンジ、洗濯乾燥機など、暮らしの中で使う電気製品はさまざまです。古い空き家では、現在の設備のままで想定する暮らしに対応できるかを確認しておきたいところです。

電気は契約容量だけでなく、配線や回路、使う機器の条件を合わせて確認します。分電盤の数字だけで判断せず、設備計画を電気工事業者へ伝えましょう。

使う予定の設備を、部屋ごとに書く

台所、居室、洗面所など、どこでどの機器を使うかを一覧にします。新しくエアコンや調理設備を入れる予定があるなら、その型式や仕様も用意します。家全体の容量だけでなく、特定の場所で同時に使う条件が大切になるためです。

借り手の家電をすべて予測することはできませんが、想定する世帯と設備の使い方を伝えるだけでも相談は具体的になります。「とにかく大きくしてください」ではなく、必要な暮らしから考えます。

現地で記録する項目

項目確認する内容
契約情報確認できる容量・契約方式・使用停止状況
分電盤外から読める表示と設置位置
コンセント位置、数、見える損傷等
固定設備空調、給湯、調理等の仕様
履歴電気工事や不具合の記録
未確認通電できない箇所、資料の不足

外から分かる情報を記録するだけにとどめ、分電盤を分解したり配線へ触れたりしないでください。損傷や異常が疑われる場合は、無理に通電して試さず専門家へ相談します。

契約を変えることと、設備を変えることは別

契約容量の変更だけで対応できるか、配線や分電盤等の工事が必要かは、現地の条件によります。電力会社への手続き、工事の範囲、費用、日程を確認します。

「容量を上げれば全部解決」と考えると、必要な回路やコンセントの工事を見落とす場合があります。導入したい機器の仕様を示し、どこまで対応できるかを説明してもらいましょう。

必要な工事は、有資格者の対応範囲で依頼する

経済産業省は、電気工事の欠陥による災害を防ぐため、電気工事士の資格制度を設けています。資格が必要な電気工事を、費用削減のために自己判断で行わないでください。

依頼先には、現地の調査、提案、施工、確認までどこを担当するかを聞きます。設備販売と工事が別会社の場合は、不具合時の窓口や責任範囲も確認しておくと行き違いを減らせます。

内装工事の前に相談すると、計画をそろえやすい

壁や天井を仕上げた後で配線工事が必要になると、追加の開口や復旧が生じる場合があります。必要な設備を早めに決め、内装業者と電気工事業者の工程を調整します。

見積もりには、機器代、配線等の工事、既存設備の撤去、仕上げの復旧、申請等をどこまで含むかを明記してもらいます。工事中に変更する場合も、その場の口約束だけで進めず内容と費用を残します。

完了後は、使い方が分かる資料を受け取る

工事した箇所、設備の説明書、確認結果、連絡先を保存します。分電盤等の表示についても、どの場所に対応するか分かるよう説明を受けます。入居者に必要な案内は管理会社と共有し、故障時に所有者だけが情報を持つ状態を避けます。

完成確認の方法は業者の案内に従い、無理な負荷をかける試験や、通電部分へ触れる確認は行いません。

使えない設備は、募集前に整理する

残す空調や照明があっても、動作確認ができていなければ、使える設備として案内してよいかを管理会社と相談します。交換、撤去、継続使用のどれにするかを決め、工事範囲へ反映します。設備本体が古いという印象だけでなく、調査結果と部品等の対応可否を踏まえて判断してください。残す設備の故障時にどこへ連絡するかも、引渡資料に含めます。

相談前にそろえる4点

  • 予定している設備と使う場所。
  • 現状で確認できた契約・表示情報。
  • 通電や動作が未確認の箇所。
  • 内装工事と入居開始の予定。

電気の準備は、アンペア数を大きくするだけの話ではありません。必要な使い方を伝え、設備と工事の範囲を整えることが、入居後の使いやすさにつながります。