入居前の設備一覧は、家にある物を数えるだけの表ではありません。「何を貸すのか」「どんな状態か」「不具合が出たら誰へ連絡するか」を共有するための資料です。募集情報、契約書、現物を同じ内容にそろえましょう。

エアコンが付いている。照明も残っている。見れば分かると思いがちですが、借りる人が知りたいのは、使えるのか、故障したらどうなるのかという点です。入居前の小さな確認が、その後の行き違いを減らします。

部屋ごとに、現物を見ながら書く

以前の資料をコピーするだけでは、交換や撤去した設備が残ることがあります。玄関から順番に回り、現物と照らし合わせて記入します。

項目記入する例
設置場所・設備名一階居間・エアコン
識別情報メーカー、型番、分かる範囲の設置時期
状態確認日、動作確認の範囲、既知の不具合
付属品リモコン、説明書、鍵など
連絡方法故障時の窓口、連絡してほしい情報

設置年が不明なら「不明」とします。製造年と設置年は違うので、同じ欄に混ぜないでください。型番の写真を残すと、後から修理相談をしやすくなります。

動作確認は、確認した範囲まで書く

電源が入っただけで「正常」とすると、実際の機能まで確認したように伝わります。どこまで試したかを具体的に残します。給湯、換気、照明など、確認方法が分からない設備は業者へ依頼しましょう。

長く使っていない機器を無理に動かしたり、異音や異臭があるまま確認を続けたりしないこと。安全を優先し、状態を確かめてから貸し出します。

季節の都合で確認できていない機能があれば、空欄ではなく未確認と記載します。そのまま引き渡してよいか、管理会社と対応を決めてください。

残っている物の扱いを決める

前の所有者や入居者が置いていった物は、貸す設備として引き受けるのか、撤去するのかなどを整理します。「残置物」と書けば、あらゆる責任がなくなるわけではありません。

借主が設備として期待する物なら、広告や契約での説明と実際の扱いにずれがないか確認します。修理や撤去の条件は、仲介会社などと相談して分かりやすく説明してください。

壊れている物を置いたままにする場合も、使わないという説明だけで足りるかは状況によります。危険がないか、生活の邪魔にならないかも含めて判断します。

リモコンと説明書も一緒に確認する

本体は動くのに、リモコンがない。操作方法が分からない。こうした不便も、入居直後の問い合わせにつながります。

  • リモコンが本体に対応しているか。
  • 取扱説明書やメーカーの案内先を確認できるか。
  • 鍵や付属品の本数を記録したか。
  • 日常の手入れと、故障時の連絡先が分かるか。

説明書をまとめる場合は、機器名と場所を書いておくと探しやすくなります。保証書や個人情報を含む購入書類は、渡す資料と保管資料を分けましょう。

入居者と確認し、変更履歴を残す

国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、設備などの条件を整理する形式が示されています。実際の契約内容に合わせ、設備一覧を関係資料と一緒に確認します。

引渡し時には、既知の不具合や使い方で注意が必要な点を説明します。入居後に気づいた不具合を連絡する方法も伝えてください。確認の署名をもらうことだけを目的にせず、認識をそろえるために使います。

交換した設備は、一覧を更新します。修理業者へ伝える型番が古いままだと、手配が遅れる原因になります。更新日を入れ、管理会社と同じ版を持てるようにしましょう。

まず三点照合をしてみよう

募集ページ、契約資料、現物。この三つで、エアコンの台数や照明の有無が一致しているか確かめてください。一つでも違いがあれば、入居前に修正します。

設備一覧をつくる手間は、故障するたびに最初から調べる手間を減らします。家に詳しくない人でも確認できる資料にしておくと、家族や管理会社へ任せる際にも役立ちます。