空き家を見に行ったのに、帰宅してから「駐車場を測り忘れた」「給湯器の状態を聞いていない」と気づく。内覧では、普段見慣れないものが多く、思っていたほど確認できないことがあります。
準備の中心は、持ち物を増やすことより、その日に何を確かめるかを決めることです。初回で購入を決断しようとせず、追加調査へ進む価値があるかを判断する場と考えると、落ち着いて見られます。
訪問前に、写真では分からない点を3つ書く
物件資料を読み、現地で確かめることを絞ります。例えば、車が出入りできるか、室内のしみがどこにあるか、設備を動かして確認できるかです。ネットで確認できる所在地や周辺施設は先に調べ、現地でしかできないことに時間を使います。
仲介会社には、電気や水道の状態、室内に入れる範囲、撮影の可否、売主への質問方法を事前に聞きます。設備を勝手に動かせると考えず、当日の確認方法を相談しておきましょう。
持ち物は「見る・測る・記録する」に分ける
| 目的 | 用意するもの | 使い方 |
|---|---|---|
| 見る | 明かり、動きやすい服、室内履き | 安全に立てる範囲を確認 |
| 測る | メジャー | 駐車・家具配置等の概寸を記録 |
| 記録 | スマートフォン、間取り図、筆記具 | 写真と位置を対応させる |
| 照合 | 事前質問一覧、受領資料 | 答えと未確認事項を分ける |
道具を持っていても、建物の安全性を自分だけで診断できるわけではありません。屋根へ上る、床下や天井裏へ無理に入る、設備を分解するといった作業は内覧の範囲に入れず、必要なら専門家へ依頼します。
当日は「外・中・質問」の順で回る
まず周辺道路と敷地を見て、車の進入、建物の外周、地形などを確認します。次に玄関から順番に室内を見ます。気になった場所だけ飛び回るより、間取り図に沿って一室ずつ進むほうが記録を整理しやすくなります。
写真は、部屋全体と気になる箇所の両方を撮ります。接写だけでは、後でどこだったか分からなくなります。「1階北側和室・窓の上」のように場所を書き、しみや傷の原因は決めつけず質問として残してください。
売主や仲介会社には、履歴を聞く
「問題はありませんか」だけでは、具体的な情報を得にくいことがあります。「最後に人が住んでいた時期」「雨漏りの修理をした時期」「設備を交換した記録」のように、経緯を聞くと整理しやすくなります。
回答が分からない場合は、誰に確認するのか、資料が残っているかを相談します。長期間使っていない設備が動くかどうかは、売主も把握していないかもしれません。未確認を、故障なしという意味に置き換えないことが大切です。
内覧後、その日のうちに3分類する
メモは「確認できた」「専門家の調査が必要」「資料待ち」に分けます。例えば部屋数は確認できても、床の違和感の原因は専門家へ、道路の扱いは資料待ちという具合です。写真を見ながら整理すると、追加質問が具体的になります。
国土交通省には建物状況調査の制度案内があります。専門家への依頼を考える場合は、調査範囲と確認できない部分、費用、実施日を聞きます。初回内覧の印象と、専門的な調査結果は分けて扱いましょう。
同行者とは役割を分ける
二人で内覧するなら、一人が説明を聞き、もう一人が許可された範囲で写真やメモを残すと、記録が抜けにくくなります。ただし別々の場所を勝手に回らず、担当者の案内に従います。工事業者に同行してもらう場合は、その場で確定できる費用と、後日調査が必要な費用を分けて聞きましょう。家族の感想も参考になりますが、住みたいかどうかという感想と、賃貸として貸せる根拠は別に整理します。
帰る前に確認する4項目
- 質問への回答と、分からなかった項目を分けたか。
- 必要な寸法と写真がそろっているか。
- 再訪問や専門家同行を相談できるか。
- 追加資料の依頼先が決まったか。
内覧の目的は、家を好きになることだけではありません。買った後に必要な対応を見つけることです。準備ができれば、短い訪問でも次の判断に使える情報を持ち帰れます。
