庭の高低差をなくし、駐車場を広げれば貸しやすそう。空き家の購入前には、こうした土地の工事も計画に入ります。そのとき確認したいのが盛土規制法の区域と工事条件です。建物の内装だけを直す計画と、土を動かす計画を分けて整理しましょう。

規制区域に入るという情報だけで、その敷地が危険と判定されたとは限りません。一方、昔から家があるから土地の状態を調べなくてよいわけでもありません。区域指定、過去の造成、今回の工事は別々に確認します。

区域の名称と担当窓口を特定する

国土交通省は、土地の用途にかかわらず、指定された区域内の一定規模以上の盛土等に許可が必要となる仕組みを案内しています。所在地の最新の区域図と窓口を確認し、古い宅地造成の資料だけで判断しないことが大切です。

用意する資料確認したいこと
所在地と地番管轄と対象区域
現況の配置図建物、擁壁、排水、高低差
工事案土を盛る・削る場所と範囲
過去の資料造成や擁壁の許可、検査、修繕

千葉県のように県と一部の市で窓口が分かれる地域もあります。別の自治体の基準表を、そのまま自分の物件の条件に使わないようにしましょう。

「少し平らにする」を寸法のある計画へ直す

業者へ、動かす土の高さ、面積、土量、切土と盛土の位置を図にしてもらいます。駐車場を造る工事でも、擁壁や排水、土の一時的な置場まで関係する場合があります。舗装だけの見積もりと造成を伴う案を混同しないでください。

質問は「リフォームなら許可は不要ですか」より、「図の範囲をこの高さまで変更する計画です。必要な許可・届出や他の確認事項はありますか」と具体的にします。売主の口頭説明で手続不要と確定せず、担当窓口への照会結果を残します。

区域確認と敷地の安全確認を分ける

既存の擁壁や斜面に気になる変形、排水の跡があれば、造成資料と現地調査を専門家へ依頼します。許可資料があることは、現在の傷みまで問題がない証明ではありません。資料がない場合も、直ちに違法と決めつけず、調べ方を確認します。

盛土等が行われた土地には、所有者等が安全な状態を維持する責務も関係します。今回新しい工事をしない計画でも、既存の造成や行政からの通知の有無を購入資料で確かめることが必要です。過去の工事だから自分には関係ないとは扱いません。

工事費と手続の期間を総予算へ入れる

見積もりは、調査、図面作成、申請、造成、排水、必要な検査、舗装や周辺復旧を分けて比較します。許可等の前提が未確認なら、工事開始日や入居可能日を確定したものとして扱わないようにします。

まず購入候補の写真に、土を動かしたい場所だけ印を付けてください。その図を業者と自治体へ見せ、できる工事と必要な費用が分かってから、駐車台数や賃料の想定を更新しましょう。