引越し当日に、大きな車が家の前まで入れないと分かったら。入居者も業者も慌てます。大家が準備したいのは、車両の大きさまで保証する案内ではなく、現地の条件を業者が判断できる資料です。停車候補、玄関までの経路、使えない場所を一枚にまとめて渡しましょう。

「前面道路あり」だけでは作業場所は決まらない

乗用車が通れることと、引越車両を止めて荷物を運べることは別です。狭い曲がり角、電線、道路の傾斜、門柱があると、車種や作業方法が変わります。大家の記憶で「大きな車でも大丈夫」と答えず、業者の下見に使える写真と寸法を用意します。

過去に別の人が停車していた場所でも、使用できる根拠にはなりません。隣地や私道の利用、道路上の作業について、必要な承諾や手続を入居者・引越業者が確認できるようにします。大家が了承しただけで公道に自由に駐車できるわけではありません。

案内図には四つの情報を書く

項目記録すること最終確認
車両の進入曲がり角、幅の狭い地点の写真業者が車種を判断
停車候補敷地内の位置と有効寸法当日の利用可否を確認
搬入経路門・玄関・階段の狭い箇所家具寸法と照合
使用不可隣家の駐車場、避難を妨げる場所案内図で明示

寸法には測定日を添えます。玄関幅は扉を開けた状態の通れる幅、階段は手すりを含む狭い部分を記録します。ただし、曲がりながら運べるか、家具を分解できるかは業者の判断です。直線の幅一つで搬入可能とは確約しません。

日程の連絡は「知らせる相手」まで決める

契約開始日と引越日が異なる場合、鍵を渡せる日時も照合します。入居前の無断搬入を前提にせず、荷物を置ける日、管理担当へ連絡してほしい期限、当日の連絡先を伝えます。車両の手配後に条件を伝えると、再手配費用が生じる可能性があります。

たとえば案内文は「搬入経路の写真をお送りします。車両の進入と停車方法は引越業者に確認してください。隣地は使用できません。予定日時が決まりましたら管理窓口へお知らせください」とします。必要以上に家族の行動予定を集めず、作業調整に必要な情報に絞ります。

道路の使用には、作業内容に応じた許可等の確認が必要になることがあります。搬出入だから一律に同じ扱いとせず、業者と管轄警察署等で具体的な条件を確認します。近隣への案内が必要な場合も、日時と作業の概要に絞り、入居者の個人情報を広く配りません。

入居者が手配する前に渡す

資料を作る日は、玄関から道路まで実際に歩いてみてください。写真だけでは分からない段差や、雨天時に滑りやすい部分にも気づけます。危険箇所の修繕と、引越作業上の注意を分けて管理します。

最初の一歩は、停車候補と使用できない場所を一枚の図に記すこと。入居者へ早めに渡し、引越業者が疑問点を直接確認できる窓口を添えましょう。