物件を見に行った交通費は、領収書があれば全て経費になる。そう考えず、何のために、どこへ、誰に会いに行ったのかを一緒に記録しましょう。業務との関係を説明できる資料があると、申告時の確認が進めやすくなります。
近所の物件を車で見に行くと、金額が小さく記録を忘れがちです。遠方への旅行と内見が重なる場合もあります。後から記憶だけで分けるより、移動した日に短く記録する仕組みを作りましょう。
金額だけでなく訪問目的を残す
記録は、日付、目的地、対象物件、用件、経路、費用の六項目から始めます。内見なら仲介会社との連絡、修繕確認なら作業報告など、訪問の裏付けになる資料を紐付けます。
| 移動の種類 | 一緒に残すもの |
|---|---|
| 電車・バス | 区間、運賃、訪問予定や面談記録 |
| 高速道路・駐車場 | 利用明細、物件との関係 |
| 自家用車 | 走行記録、業務と私用の区分資料 |
| 複数物件の巡回 | 訪問先と作業内容の一覧 |
交通系ICへのチャージ額は、そのまま全て物件訪問の交通費とは限りません。実際に使った区間と用途を確認します。カード明細と領収書を両方記録して、同じ支出を二重計上しないことも大切です。
私用を含む移動は内容を分ける
国税庁は、個人の家事上の費用は必要経費にならず、家事と業務の両方に関係する支出は、記録等に基づき業務上必要な部分を明確に区分する考え方を示しています。物件へ立ち寄ったことだけで、旅行全体を業務扱いにするのは避けましょう。
仮に一日の移動で業務区間30km、私用区間20kmだった場合、走行記録上の比率は30÷50=60%です。ただし、この比率をあらゆる車両費に自動適用できるという例ではありません。費用ごとの性質や年間の利用実態に応じ、区分方法を確認します。
購入前の調査費も、まとめて断定しない
まだ貸付けを始めていない時期の調査、取得した物件に直接関係する支出、既存物件の管理では、処理の検討事項が異なります。購入できなかった物件の訪問も、目的と活動の実態を残して相談します。
個人が自分の車で動く場合と、法人の役員や従業員が立替えて精算する場合も同じではありません。法人では精算のルールや承認記録を確認し、個人の取扱いをそのまま当てはめないようにします。単に「不動産関係」と書くだけでは、内容が伝わりません。
週に一度、資料と記録を照合する
記録した交通費を、領収書、利用明細、カレンダーと照合します。電子で受け取った資料は、その保存方法も確認してください。紙だけに印刷して元データを捨てる運用にしないことが大切です。
まず次の訪問から、帰宅時に「物件名・目的・経路・金額」を四行で残してみましょう。経費になるか迷う支出には確認待ちの印を付け、税理士へ説明できる状態で保管してください。
