貸している家が宿泊サイトに載っている、知らない人が頻繁に出入りしている。そんな情報を得ても、すぐに無断転貸と断定せず、物件の特定と契約の確認から始めましょう。必要なのは、疑いを強めることより、説明を求められる事実をそろえることです。
大切な物件が知らない使い方をされているかもしれない。不安になるのは当然です。ただし、広告の取り違えや古い掲載、承諾済みの利用などもあり得ます。確認の順番を守ることが、その後の対応を助けます。
契約上の使用目的と承諾履歴を確認する
賃貸借契約書の使用目的、転貸や名義変更の規定、入居者一覧を確認します。管理会社が過去に承諾した事項や、大家とのメールも対象です。親族の一時滞在、同居人の変更、第三者への有償貸出しは、同じ事実ではありません。
| 情報 | 確認したいこと |
|---|---|
| ウェブ広告 | URL、掲載日時、写真と物件の一致 |
| 近隣からの連絡 | 具体的な日時と観察内容 |
| 契約書・承諾記録 | 貸す目的と認めた利用範囲 |
| 入居者の説明 | 利用者との関係、期間、金銭の授受 |
掲載画面は、日時とURLが分かる形で記録します。SNS上で物件や入居者の名前を公開して告発したり、第三者に接触して個人情報を集め回ったりする対応は避けます。
入居者には、具体的な内容を示して照会する
「契約物件と思われる写真を使用した宿泊募集を確認しました。掲載経緯と現在の利用状況についてご説明をお願いします。契約上の使用目的も併せて確認したいと考えています」といった文面なら、何への回答が必要かが伝わります。
返答の期限と窓口を示し、電話で回答を受けた場合は要点を文面で確認します。返事がないときも、それだけで広告内容が全て事実になったとは扱いません。連絡の履歴を残し、管理会社と次の照会方法を検討します。
解除できるかと、自分で排除できるかは別
民法612条には、賃貸人の承諾のない賃借権の譲渡・転貸に関する規定があります。ただし、具体的な利用実態、承諾の有無、契約関係などを確かめずに、直ちに退去が実現すると考えないことが大切です。契約解除や明渡しを検討する段階では、資料をそろえて法律専門家へ相談します。
鍵を変える、電気や水道を止める、利用者の荷物を運び出すといった方法で解決しようとしてはいけません。安全上の差し迫った問題がある場合は、その危険への対応を関係機関と相談し、契約問題と分けて記録します。
確認結果に応じて、次の行動を決める
誤掲載であれば訂正状況を確認し、未承諾の利用が確認できた場合は、是正内容や期限について適切な手続を検討します。条件変更の相談になっても、その場の口約束だけで使用目的を広げないようにしましょう。
まずは、見つけた情報を「自分で確認したこと」「第三者から聞いたこと」「まだ分からないこと」に分けてください。その一覧と契約書があれば、感情的な決めつけを避けながら、具体的な相談へ進めます。
