賃貸広告の駅徒歩分数は、自分が早歩きして測った時間ではなく、定められた基準で算出します。道路距離80メートルにつき1分、端数は切り上げが基本です。距離、経路、出入口を記録し、仲介会社と同じ根拠で表示しましょう。

直線距離で計算しない

地図では駅が近く見えても、川や線路、通れない敷地があれば回り道になります。駅まで線を引いた距離を使わず、人が通れる道路の経路を確認します。地図上の道が現在も通行可能か、閉鎖や時間制限がないかも見ます。

首都圏不動産公正取引協議会は、地図上で道路距離を計測する方法を認めたうえで、80メートルを1分として算出する基準を示しています。実際に歩くことは生活上の確認として役立ちますが、表示の計算法とは分けます。

割り算の端数は切り捨てない

次は計算方法の仮例です。測定した道路距離が640メートルなら8分、650メートルなら8.125分なので9分表示になります。数十メートルの違いでも分数が変わるため、表示をよく見せるために距離を丸めないようにします。

道路距離の仮例計算表示
640メートル640÷80=8徒歩8分
650メートル650÷80=8.125徒歩9分
810メートル810÷80=10.125徒歩11分

測定精度に不安がある場合は、短い方へ寄せて決めず、仲介会社に測定のやり直しを依頼します。

どの入口までかを明確にする

大きな駅には複数の出入口があります。同協議会は、地上駅は駅舎の出入口、地下鉄は地上出入口を起着点とする考え方を示しています。出口名を添えると、入居希望者も経路を理解しやすくなります。

物件側の起点も仲介会社とそろえ、採用した地点を地図に残します。改札やホームまでの移動と、広告の駅徒歩を同じものとして説明しないようにします。駅構内の移動が長い場合は、内見者が実際に確認できるよう案内します。

公園等の通路は利用条件も確認する

近道が公園や施設内を通る場合、利用時間や通行の条件が関係します。単に地図に線があるから使えると判断せず、仲介会社を通じて表示規約上の扱いを確認します。経由地の付記や、通常の道路経由の分数も必要に応じて示します。

通行できることと、夜間に歩きやすいことは別です。暗さや坂道等は、徒歩分数を短く見せる材料ではなく、暮らしの確認事項として正確に説明します。

信号待ちと実感の時間を混ぜない

表示基準の徒歩分数では、信号や踏切の待ち時間、坂道等の影響を算入しなくてもよいとされています。そのため、実際に歩いた時間と異なる場合があります。「誰でも必ずこの時間で着く」という保証ではありません。

内見者には、通勤時間帯や普段の歩く速さで確認してもらうと親切です。自転車や車の所要時間へ徒歩の基準を流用しないようにします。それぞれの表示方法は別途確認します。

測定資料を広告と一緒に保存する

地図、経路、距離、入口名、確認日を一組にします。工事や入口変更で経路が変わった場合は、公開中の広告を更新します。仲介会社ごとに分数が違うときも、この資料で照合できます。

まず掲載中の駅徒歩表示について、距離と経路の根拠を確認してください。数字だけを引き継がず、測った理由まで残すことが正確な広告につながります。