ベランダの表面が傷んでいると、防水塗料を塗ればよいと考えがちです。しかし、下階にしみがある場合などは、表面だけの工事で原因に対応できるとは限りません。
まず、表面の保護、防水層、下地、漏水の経路を分けて調べます。工事名が同じ「防水」でも、対象範囲をそろえて比較しましょう。
症状の場所と雨との関係を残す
床のひびや浮き、水たまり、排水口付近、壁との接合部等を、歩行の安全が確認できる範囲で撮影します。下階や室内のしみも、いつ発生し、雨の後に変わるかを記録します。
床が沈む、手すりがぐらつくなどの場合は、使用を控えて業者へ連絡します。原因を試すために大量の水を流す、排水口を塞いでためる、表面を剥がす等の作業は自分で行いません。
防水の形式と下地を確認する
| 確認対象 | 質問したいこと |
|---|---|
| 既存防水 | 種類と過去の施工履歴 |
| 下地 | 状態と確認できなかった範囲 |
| 排水 | 排水口と周辺の流れ |
| 立上り等 | 床以外の接合部や端部の状態 |
| 室内のしみ | ベランダ以外の原因も調べる必要 |
住宅紛争処理支援センターの技術資料でも、バルコニーの形式、下地、利用目的に応じて防水工法を選ぶ考え方が示されています。見た目が似ている家の工法を、そのまま当てはめないようにします。
表面保護の更新でよいかを聞く
表面の保護層を更新する案と、防水層や下地に手を入れる案では目的が違います。「この工事で対応する不具合と、対応しない部分は何ですか」と質問すると、提案の範囲が明確になります。
雨漏りが疑われるなら、原因調査の結果と工事案を結び付けてもらいます。きれいに仕上がることを、漏水原因が解決する保証として受け取らないようにします。
排水口と置いてある物も工事範囲に入れる
室外機、物干し、床置きの部材等がある場合は、移動・復旧が必要かを確認します。防水面への固定や接する箇所も、施工担当者へ見てもらいます。
見積もりでは、下地処理、既存材の撤去、端部や排水口の処理、施工、保護、養生等を確認します。仮に室外機移動が別料金なら、工事当日になって追加されないよう、担当と費用を先にそろえます。
使えない期間と完成確認を決める
施工中から使用できるまでの時間は材料や天候等で変わります。洗濯物や設備の利用、立入りを控える期間を業者へ確認し、入居中なら管理会社を通じて案内します。
工事後は、見えなくなる部分の記録と完成写真、使用上の注意、保証の対象と条件を受け取ります。雨の状況によって後日確認が必要なら、その方法と連絡時期も決めましょう。
まず床面だけでなく、端部と排水口、室内のしみを一組の資料にしてください。原因調査と仕上げ工事を分けて相談することが、必要な補修を選ぶ第一歩になります。
