売主の名前が登記にあるので大丈夫。そう考えがちですが、目の前の人がその本人か、代理人なら契約する権限があるかは別に確認が必要です。

買主が独自に本人確認を完結させるのではなく、仲介会社と司法書士等が何を確認し、未了事項が何かを把握しましょう。契約直前まで疑問を残さないための相談準備です。

土地と建物の名義を別々に見る

登記事項証明書等の対象物件と取得日を確認します。土地が複数の筆に分かれていたり、建物と土地で所有者が違ったりする場合があります。広告の住所だけで対象全体を確認したつもりにならないようにします。

確認事項質問例
売買対象対象の土地・建物がすべて資料にあるか
名義契約する売主と登記名義の関係は何か
住所・氏名相違があれば必要な手続きは何か
代理誰がどの範囲の権限を確認するか
登記準備必要書類と確認の未了事項はあるか

古い証明書では、その後の変更を把握できません。契約や決済の段階でどの時点の情報を確認するかも、担当者へ聞いてください。

名義との相違は理由と手続きを確認する

転居、改姓、相続、法人の変更など、名前や住所が違う理由は複数あります。違いだけで不正と決めつけるのではなく、根拠資料と必要手続きを専門家に確認してもらいます。

相続等が未了なら、売却に必要な整理がどこまで進んでいるかを聞きます。共有者のいる場合も、連絡窓口と契約する本人・代理人を区別します。親族だから当然に代理できるとは考えません。

権利証等があっても本人確認を省かない

法務省は、登記識別情報や、提供できない場合の本人確認手続きを案内しています。書類を持っていることだけで本人性や契約権限がすべて分かるわけではありません。

反対に、権利証等を紛失したと聞いて、直ちに売買できないと断定する必要もありません。代替手続きの可否、費用、期間を司法書士等へ確認します。買主が登記識別情報の番号を預かり、仲介会社以外へ広く共有するような扱いは避け、専門家の案内に従ってください。

振込先と売主の関係も確認する

契約書の売主と異なる名義の口座が指定された場合は、理由と支払の扱いを確認します。急な振込先変更が届いたときも、以前から確認できている電話番号等で担当者へ照会しましょう。

本人確認の資料には機微な情報が含まれます。必要資料の受渡しは仲介会社や司法書士の指定方法に従い、個人の端末に不要な写しを増やさないようにします。買主として知るべき確認結果と、専門家が保管する資料を分けます。

決済前の未了事項を一行で残す

「住所変更手続きの資料待ち」「代理権の確認予定」等、状態、担当者、期限を記録します。必要な確認が終わらない場合に決済をどう扱うかは、契約と専門家の助言に基づいて判断します。

まず登記事項と契約予定の売主を並べ、違う点だけを質問メモにしてください。疑問を曖昧な安心感で埋めず、取引の担当者から根拠のある説明を受けることが大切です。