フリーレントと家賃値下げは、同じ「借りやすくする工夫」でも収入への影響が違います。免除する期間と毎月減る金額を、同じ入居期間で比較しましょう。目先の一か月だけでなく、どれくらい住んでもらう想定かが判断に関わります。
条件変更の目的を先に決める
初期費用が負担なのか、毎月の家賃が相場より高いのかで、効果が違います。内見後の反応や比較物件を仲介会社に確認し、何が申込みの妨げかを探ります。物件の状態や説明不足が原因なら、金額の変更だけで改善するとは限りません。
フリーレントは、一定期間の家賃を免除する条件です。共益費、駐車場代、保険等まで無料とは限らないため、何をいつまで免除するかを明確にします。募集広告と契約書の内容をそろえることも必要です。
同じ期間の受取額で比べる
仮に通常家賃5万円、A案は最初の一か月の家賃だけ免除、B案は毎月3,000円下げて4万7,000円とします。契約開始時点は同じで、未収や追加の免除はなく、他の費用は同条件という仮定です。
| 入居期間 | A案:一か月免除 | B案:月3,000円値下げ |
|---|---|---|
| 12か月 | 5万円×11=55万円 | 4万7,000円×12=56万4,000円 |
| 24か月 | 5万円×23=115万円 | 4万7,000円×24=112万8,000円 |
| 36か月 | 5万円×35=175万円 | 4万7,000円×36=169万2,000円 |
家賃収入だけの比較です。管理費、税金、募集費、返済等を引いた利益ではありません。計算上の境目は5万円÷3,000円=約16.7か月で、17か月目からA案の累計受取額が上回ります。
家賃の開始時期も比較する
A案で早く申込みが入り、B案では募集が長引くなら、同じ契約開始という前提が変わります。逆に免除を付けても申込みがなければ、期待した効果は得られません。条件変更後に、問い合わせや内見の変化を確認する日を決めましょう。
一度に写真、家賃、免除条件をすべて変えると、何が効いたか分かりにくくなります。地域の募集状況も見ながら、変更内容と日付を記録します。短い期間の反応だけで結論を急がないことも大切です。
免除条件を曖昧にしない
契約開始日から一か月なのか、月末までなのかで免除額が変わる場合があります。賃料の発生日、日割り、共益費等の扱いを具体的な日付で確認します。「初期費用無料」と広く書いて、別途費用が後から出る説明にならないようにします。
短期解約時の返還や違約金を考える場合は、その有効性や他の費用との関係を専門家へ確認します。家賃を免除したから、どんな返還条件でも設けられると考えないようにしてください。
資金繰りに合うか確かめる
免除中にも返済や保有費用は続きます。年間の受取額が有利でも、最初の支払いを乗り切れなければ困ります。値下げ案では毎月の手残りが減るため、どちらも月別の現金残高へ反映します。
まず現在の家賃で、12・24・36か月の受取額を二案で計算してください。次に仲介会社へ、初期費用と毎月家賃のどちらが課題かを聞きます。計算と現場の反応を合わせて選ぶことが、条件変更を生かす道筋です。
