屋根の見積もりを取ったら、一社は塗装、もう一社は葺き替えを提案した。金額が大きく違い、どちらを信じればよいか迷うことがあります。
比べたいのは工法の名前より、何の不具合を、どこまで直す提案なのかです。現況の調査結果と工事範囲をそろえると、金額差の理由が見えやすくなります。
屋根材の表面と下の状態を分ける
屋根は表面の材料だけで雨を防ぐわけではありません。下葺材や下地、接合する部分等の状態も判断に関わります。色あせの写真だけで、塗装すればよいとも、全面交換が必要とも決めないようにします。
調査は専門業者へ依頼し、自分で屋根へ上がらないでください。写真や報告を受け取り、確認できた部分と見えなかった部分を説明してもらいます。調査方法と費用、建物へ影響する作業の有無も事前に確認します。
四つの案を同じ目的で比較する
| 提案 | 確認したいこと |
|---|---|
| 塗装 | 塗装の対象と、別途必要な補修 |
| 部分補修 | 対象範囲と周辺へ残る課題 |
| カバー工法 | 既存屋根・下地・建物の適用条件 |
| 葺き替え | 撤去範囲と下地等の補修条件 |
同じ症状を解決する代替案なのか、それとも一方は表面の保護、もう一方は下地まで直す提案なのかを聞きます。目的が違う見積もりを、価格だけで優劣比較しないことが大切です。
カバー工法は施工できる条件を確認する
既存の屋根を残す方法には、既存材や勾配、下地等の条件があります。ケイミューの製品資料でも、重ね葺きによる重量増加を踏まえた構造耐力や下地の確認が示されています。
ただし、これは特定製品の資料です。別の材料にも同じ条件をそのまま当てはめず、採用する製品と建物で確認します。「撤去しないから必ず安く安心」と考えず、下に残る部分の状態と将来の対応も聞いてください。
見積もりの周辺工事をそろえる
足場、養生、廃材処分、板金部分、雨とい、下地補修等が含まれるかを確認します。工事中に傷みが分かったときの追加条件も重要です。単価だけでなく数量の根拠と、未確定の範囲を説明してもらいます。
古い屋根材を撤去・加工する場合には、必要な石綿事前調査等を業者へ確認します。見積もりに調査が入っていないなら、別料金か不要と判断した理由があるかを尋ねます。所有者が試しに割って確かめるような作業は行いません。
工期と記録、保証条件を確認する
天候で日程が変わる可能性や、工事中の雨への備えは施工業者へ説明を求めます。完成写真だけでなく、見えなくなる部分の記録を受け取れるかも相談しましょう。
保証がある場合は、対象、期間、除外事項、連絡先を読みます。材料の保証と施工の保証を同じものとして扱わず、何が起きたときに誰へ連絡するかを明確にします。
まず各社へ「現況のどの資料を根拠に、この工法を提案していますか」と質問してください。写真と範囲をそろえ、必要なら第三者にも相談してから、予算と建物の状態に合う案を選びましょう。
