空き家投資を始めるときは、「90日で必ず買う」ではなく、「90日で購入を判断する材料を集める」と計画してみましょう。予算、地域、物件の状態、工事費、管理方法を、順に確かめていきます。
勉強することが多く、いつ動けばよいか分からない。逆に、安い物件が出ると調査を飛ばして買いたくなる。どちらの場合も、次に何を確認するかが決まっていると、一歩を進めやすくなります。
90日は期限ではなく、作業を分ける目安
次の表は一つの計画例です。物件や仕事の予定、調査にかかる時間によって変更してください。資料がそろわないのに、日程に合わせて契約する必要はありません。
| 期間の例 | 主な作業 | 残すもの |
|---|---|---|
| 1〜15日 | 目的、予算、使える時間を整理 | 購入条件の一枚表 |
| 16〜30日 | 地域と賃貸需要を確認 | 家賃比較と質問メモ |
| 31〜50日 | 候補の資料確認と内覧 | 写真、確認済み・未確認の一覧 |
| 51〜70日 | 必要な調査、工事、管理の相談 | 見積もりと対応先 |
| 71〜90日 | 総費用と収支を比較 | 進める・保留・見送りの理由 |
最初の二週間で、使ってよいお金を決める
預金額をそのまま購入予算にしません。生活や事業で残す資金、購入後の修繕や空室に備える資金を分け、取得と工事へ使える額を考えます。
借入れを予定する場合は、金融機関へ相談する準備も進めます。借りられるつもりの金額を、確定した資金として扱わないことが大切です。自己資金で進められる条件と、融資の確認が必要な条件を分けましょう。
同時に、現地へ行ける範囲と時間を書きます。安く買えても通えない、頼む人がいないという条件では、運営の準備が足りません。
物件探しと並行して、借りる人を調べる
購入候補ばかり見るのではなく、その地域の戸建て賃貸を比較します。家賃、駐車場、設備、入居条件を同じ表へ入れ、募集額と成約情報を区別してください。
地元の仲介会社には「どんな家なら貸せますか」だけでなく、検討している条件を見せて相談します。自分が知りたいのは、希望家賃への同意ではなく、どの条件が借り手に評価されるかです。
空き家バンクなどを使う場合は、地域ごとの利用条件も確認します。掲載されているから投資用に使えると決めつけず、目的に合う情報を集めましょう。
内覧では、決断より未確認事項を減らす
現地の写真と資料を照合し、雨漏り跡、設備、道路、駐車などを確認します。専門的な原因や法的な利用条件は、見た印象だけで判断しません。誰へ何を聞くかをメモに残します。
内覧を何件こなしたかより、見送り理由や追加質問が具体的になったかを振り返ります。「古かった」だけなら、どの状態が問題だったかを言い直してみてください。次の候補を選ぶ条件に使えます。
見積もりがそろったら、総額を更新する
物件価格に、取得諸費用、必要工事、片付け、募集準備などを加えます。概算と確定した見積もりを分け、追加費用が出る条件も確認します。
収支は、希望家賃で満室のケースだけでなく、家賃を見直した場合や空室が続く場合も計算します。高い利回りに見えても、必要な費用を抜いていたら判断に使えません。自分で管理する作業と、依頼する費用も合わせて確認しましょう。
90日目の成果は、買えたかどうかだけではない
- 進める:条件と費用が把握でき、購入後の対応先がある。
- 保留:特定の資料や調査結果があれば判断できる。
- 見送る:目的、資金、運営体制に合わない理由が分かった。
どの結論でも、次にすることを一つ書きます。保留なら確認先と返答予定、見送りなら検索条件の修正です。まだ候補がない場合も、地域や予算の設定を見直す材料が残っていれば、作業は無駄ではありません。
今日の一歩は、購入予算と通える範囲を一枚に書くことです。全部を理解してから動く必要はありません。小さく確認し、不明点を残したまま大きな約束をしない。その積み重ねで、購入を判断できる状態をつくりましょう。
